Haman Karn Blog

Haman Karn and Marsist Revolution: Dark Energy Beyond the Time

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Prologue: ハマーン・カーンと火星革命 "Haman Karn and Martian Revolution"

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  • 私は火星圏革命連合の前衛部隊ハマーンギャルド (MRA Haman-Garde) に所属するシンリ (Shinri) です。この通信は地球の人々に向けて、私がハマーン様や火星圏での出来事について個人的に思うところを書いたものです。


  • 地球上で流布されているオールドタイプの通説、いわゆるオリジナルのガンダムシリーズとは一切無関係です。したがってオリジナルの「歴史的事実」を必ずしもベースとしていません


  • あくまで虚構ではなく真実を求める人、つまりニュータイプになる素養をもった人に向けて書いています。「オリジナル」にない人物も数名登場します。「ネタバレ」を気にする人、ただの消費者、子供、「若き彗星の肖像」説のハマーン少女の方が萌えるという人、そしてオールドタイプには向きません


  • この通信は通信傍受対策として特殊に暗号化されたデータをワームホール経由で火星圏より送信しています。ワームのひずみによりデータが四次元帯に流出し、時間を逆流してしまうことが希に起こります。その場合、受信者である皆さんは私が何を言っているのか分からないかもしれませんが、その場合は空想ノベル (fantasy novel) の一種、つまりシャレだと思って楽しんで下さい。リンク等はご自由に。


  • p2
  • 引力の中の「常識」を越え、真実に陶冶され、ハマーン様の大いなるエナジーを受け取り、そしてニュータイプとして覚醒して下さい (AWAKEN TO BE A NEW-TYPE HUMAN!)



  • Contents
    (各エピソードへのリンク)



  • Prologue: ハマーン・カーンと火星革命
    Episode 1. 真実はハマーン様とともに
    Episode 2. 火星開発史と火星圏人民のめざめ
    Episode 3. 火星主義革命運動の形成(1)サンズ
    Episode 4. 火星主義革命運動の形成(2)コーピス
    Episode 5. 旧い地球文明の否定
    Episode 6. シャングリラの黒い影
    Episode 7. ラムダ・サンとハマーン様
    Episode 8. 革命指導者ハマーン・カーンの誕生
    Episode 9. ハマーン様の魅力
    Episode 10. レベッカ・マゼランと汎火星主義
    Episode 11. ハマーン最強論
    Episode 12. 大いなる母キュベレーのダークエネルギー
    Episode 13. 母なるエナジーの真精髄
    Episode 14. 人類のハマーン化とシステムのΛ化
    1st Special. バーチャル討論会 「激論!人類の未来」
    Episode 15. ラビアン新保守政権による弾圧
    Episode 16. ハマーン火星革命戦争の勃発
    Episode 17. ゼイン・マークスとハマーン様
    Episode 18. コーピスのミウとハマーンギャルドのシンリ
    Episode 19. コーピスのエマ・シーン
    Episode 20. サンズのジェリド・メサ
    Episode 21. ぶどう革命:ハマーン・ヴァレー・プロジェクト
    Episode 22. ミネヴァ・ザビの思春期
    Episode 23. シャア・アズナブルとネオジオン共和国
    Episode 24. ルー・ルカとレコア・ロンド
    Episode 25. ガンダムとは何か?ニナ・パープルトンのアナハイム・エレクトロニクス
    Episode 26. アナハイム帝国の支配に抗して
    Episode 27. ハマーン様からのメッセージ
    Episode 28. ネオアクシズと人類の進化
    2nd Special. あなたのニュータイプ度診断
    3rd Special. ポケットの中のハマーン様
    Episode 29. 前線より入電:火星革命戦争の今
    Episode 30. ハマーン様のニュータイプ子作り記録
    Epilogue: 刻を越えて

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    1. 2006/04/10(月) 16:39:13 |
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    Episode 1: 真実はハマーン様とともに "Haman Karn is the Truth"

    HK01a
  • 私の目的は、地球の支配者たちによる情報統制と教育政策で地球の人々が信じてしまっている誤った歴史観に対して、火星圏人類の一人として、そしてハマーン様のために真実を語ることにあります。


  • ハマーン・カーン (Haman Karn) という人の名を皆さんも聞いたことがあると思います。ハマーン様は火星圏民衆の希望です。皆さんの中にはこれを聞いて驚く人もいるでしょう。なにしろ地球連邦(EF: Earth Federation)エウーゴ (AEUG: Anti-Earth Union Government)ハマーン死亡説を未だに流布してるわけですから。


  • 宇宙歴0087-88年、今から7年ほど前のことですが、ハマーン様がアクシズ (Axis)・ネオジオン (Neo-Zeon) を率いてティターンズ (Titans)・地球連邦・エウーゴなどの支配者たちに戦いを挑んだことは、皆さんもご承知の通りです。当時のハマーン様がまだ、ザビ家を利用した独裁的体制に依拠し、地球の体制を武力で打破するという方法論に固執していたのは事実です。それは、連邦・ティターンズ・エウーゴが皆抑圧者だとしても、正しい方法ではありませんでした。


  • しかしハマーン様は、皆さんが教え込まれているほど単純な独裁者ではありませんでした。宇宙の民を苦しめ反抗する者を排除してきた地球圏の支配者たちへの深い怒りがアクシズの人々を間違った方法に向かわせ、こうした不満を吸収してネオジオンの極右勢力 (extreme right-wing) が台頭したのです。


  • 01b
  • ハマーン様はこうした右翼的勢力の舵取りに苦悩しながらも、それとは一線を画してきました。ネオジオン右派主導によるコロニー落とし (colony drop) にしても、ハマーン様は最後まで反対していました。そしてそのことが内部の分裂を招き、ネオジオンは敗北したのです。


  • ハマーン様は地球の支配者たちやその協力者を俗物 (snobby pigs) と呼んで蔑んできましたが、罪もない一般民衆は俗物達の作ったシステムの犠牲者であるから憎んではならないと一貫して部下を教育してきました。


  • にもかかわらず、連邦はハマーン様自身が悪の独裁者、残虐なならず者であると決めつけ、稚拙で独りよがりな歴史を人々に教え込んできました。エウーゴの俗物達もアナハイムの陰謀をひた隠しにし、ネオジオンをティターンズ同様の侵略者に仕立て上げたのです。


  • ハマーン様自身は新しい人類ニュータイプのための世作りを純粋にめざしており、地球圏の支配者たちがこれに干渉することを見抜いていたために、自らネオジオンを率いて闘う決意をしたのです。


  • 地球圏で英雄視されている男達は、抑圧者の側の欺瞞的な「正義」や「調和」を振りかざしながら、ハマーン様をよってたかって排斥しようとしました。ハマーン様は「お前は生きていてはいけない人間」とカミーユに言われ、「存在そのものが鬱陶しい」とジュドーに言われ、かつての恋人シャアには公衆の面前で胸ぐらをつかまれた上に「死んでもらう」と銃口をつきつけられました。世の中が変わるべき理由も知らないで軍隊に利用された未熟な少年達と、分かっていても何もできない男、そんな連中がハマーン様を悪役にした舞台で「ヒーロー」を演じてきたのです。


  • しかも俗物達は、ハマーン様が地球の引力に惹かれてアステロイドベルトから戻ってきたかのように歴史の意味を歪曲し、時代錯誤な地球中心主義 (Earth-centric ideology) で人々の目を真実から遠ざけてきました。そして地球の人々(被害者たち)は商品化された思想をただ消費するだけで、真実なき刻を延々と刻んできました。


  • 私はこれに対して、真実は宇宙にあることを、つまりハマーン様こそが人類の希望であり、地球の支配者である俗物どもこそ人類の希望を抑圧してきたのだ、ということを皆さんにお伝えしたいと思います。88年以降の7年間この宇宙で何が起きてきたのかについて、皆さんが本当の歴史 (true history) を知る時が来たのです。


    1. 2006/04/10(月) 22:24:12 |
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    Episode 2: 火星開発史と火星圏人民のめざめ "History of Martian Development and People's Awakening"

    HK02a
  • アメリカ合衆国航空宇宙局(NASA: National Aeronautics and Space Administration, U.S.A.)主導のプロジェクトとしてテラフォーミング (terraforming) が開始されてから数十年間、火星はまだ人の住める場所ではありませんでした。


  • 宇宙歴 (Universal Century) 0065年、最初の火星移住船「ニューホープ」が赤道付近、現在メリディアニ (Meridiani) 州がある台地に到着します。その多くは開発会社の関係者と火星での雇用機会を求めて月や地球圏コロニーの下層地区から渡ってきた労働者でした。


  • まもなく火星連邦 (MF: Mars Federation) が発足し、首都をニューホープ市 (City of New Hope) として形式的に独立しますが、実質的には旧米英日系の企業の管理下に置かれます。


  • 70年代末になるとアナハイム・エレクトロニクス社 (AE: Anaheim Electronics Inc.)が諸企業を吸収合併して、火星圏の支配を確立しました(火星圏 Greater Mars Sphere とは火星本土も近辺のスペースコロニー群 space colonies も含めた概念です)。その後火星圏経済は急速な成長を始めますが、同時に社会の歪みも増大してゆきます。


  • 火星連邦の憲法はすべての人の平等を唱っているにもかかわらず、実質的にはアナハイムの上層を占める旧アメリカ帝国系白人および旧米帝属国市民(主として英国白人・新日本帝国人)が政治経済を支配し、格差や差別が蔓延していました。これに対してUC0080年代には、旧い国民性・地球的人種民族区分の廃絶 (Abolition of nationality and Earthish race/ethnicity) を訴える人々が現れました。一般にネオ廃絶主義 (Neo-Abolitionism) と呼ばれるこの運動は、火星圏で支持を広げるとともに地球圏へも飛び火しました。


  • さらに火星の土地所有権をめぐる争いが、火星の人々の意識を少しずつ脱地球化していきました。かつて人類は宇宙や他の星での戦争を禁じた宇宙条約(Outer Space Treaty)を作り、争いの元となる星の土地領有をも禁止しようとしたことがありました。しかしルナエンパシー社のように勝手に月や火星の土地を販売して大規模な詐欺事件に発展するケースは後を絶ちませんでした。アナハイムは根拠のない火星の土地販売によって生じた過去の債権をすべて買い取り、その政治力で火星開拓への投資家・金融機関にその土地を分配する条約を改めて地球圏で整備しました。要するに詐欺を法制化して火星に地球圏の所有権(earthian property right)を持ち込んだのです。開拓事業に雇われて火星に住み着いた大多数の人々は、地球や月に住むこうした寄生地主への地代支払いに長年苦しめられてきました。火星の人類はアースノイドやルナリアンに搾取されている、という意識が生じるのは時間の問題でした。


  • HK02b
  • UC80年代後半になると人々の不満と反体制運動はさらに高まり、ついに火星主義 (Marsism) が登場しました。地球文明こそが諸悪の根源であることを明らかにし、その火星への移植を否定するという明確な目的と火星圏人類の自律性・先進性を示すことで、私たちに本当の希望を示してくれたのが火星主義なのです。


  • 分かりやすく言えば、私たちは第二の地球をつくっているのではなく、全く新しい生命圏・文化圏をつくっているのだと考えるようになったのです。地球圏で作られ持ち込まれたあらゆるシステムや法・慣習に、火星の私たちが従う理由はないのだと覚醒したのです。


  • ちなみに火星主義の思想的人的源流としては、火星圏で生まれたネオ廃絶主義の他にも、絶対平和主義を掲げて地球連邦・ジオン公国・その他すべての軍事組織に反対してきたユニバーサル・ピース・ムーブメント (UPM: Universal Peace Movement)、主に地球圏の戦災エリアのNGOが構成する非政府非同盟運動 (NG-NAM: Non-Governmental Non-Aligned Movement)、文化的マイノリティのための月の自由恋愛同盟 (MFLL: Moon Free Love League)、月面都市フォン・ブラウンに拠点をもつ緑の労働党 (GLPM: Green Labor Party of the Moon)、地球圏コロニーのサイド6とサイド7で勢力を伸ばした所有権・特許否定運動 (No-Possession No-Patent Movement)反アナハイム自営業連合 (AASEC: Anti-Anaheim Self-Employed Coalition)、月とコロニーの貧困地区の一部で始まったコミューン創造運動 (Create Communes)、そして旧世界のラディカリズムと新しいカウンターカルチャーが融合して生まれたネオアナキズム (Neo-Anarchism Movement) などがあります。


    1. 2006/04/10(月) 23:01:58 |
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    Episode 3: 火星主義革命運動の形成(1)サンズ "Marsist Revolutionary Movement 1: SANTH"

    03a
  • 火星圏での反体制運動の台頭は、地球圏の支配者に対するアクシズの決起と無関係ではありません。サンズの前身団体であるニューホープ火星主義協会 (New Hope Marsist Society) の中では、ハマーン様に対する評価は割れてはいたものの、すべての人々がハマーン様を強く意識していました。


  • それは私たちのようなフロンティアでくすぶっていた弱小グループが声を大にして言えないことを、彼女が代弁してくれていたからです。私も初めてハマーン様の演説中継をストリーミングした時はとても興奮しました。私たちも何か大きなことができるのではないか、そういう勇気をハマーン様から受け取ったのです。


  • 88年、火星の首都ニューホープ市においてサンズ、すなわちニュータイプ宇宙連合 (SANTH: Space Alliance for New-Type Humanity) が結成されます。「ニュータイプ」とは新しい人類(new-type human)、すなわち地球に起源をもつ引力に魂を惹かれた初期人類(ホモ・サピエンス)が進化して宇宙の真理に適合した次なる知的生命体のことを意味しています。私たちはまだ現時点ではその進化を始めたばかりの発展段階に位置しています(写真:サンズ初期のロゴ。中央のサンズエンブレムは宇宙の進化発展と幾重もの未来=パラレルワールドを象徴している)。


  • 私たちは火星中心主義ではなく、宇宙の力と共に生きようとしています。ですから「宇宙主義(universism)」という用語を使う人もいますが、サンズでは「火星主義(Marsism)」を意識的に採用しています。私たちは地球文明からの自立を強く意識していますが、それは生命体の永遠に続く進化の一過程に過ぎない(only a step in eternal evolution of living organism)ことを自覚しているからです。


  • また、金と権力の重力で歪んだ秩序の上で飼い慣らされた初期人類(オールドタイプ)はナイーブにも自分だけは「主義者(-ist)」でないと思いこむ傾向がありますが、人類が宇宙との融合によって主義(人が作り出す目的信念)を完全に脱することができるのはずっと遠い将来のことだということをニュータイプ人類は知っています。本人の自覚がどうであれ、私たちはまだ所詮、何かをあるべきものと信じ込み、人や歴史が用意した役割を演じながら生きています。ニュータイプがオールドタイプよりも進化しているのは、大宇宙(大自然)の中で自分たちはしょうもないヒヨっこ生命体に過ぎないという謙虚さをもつ点にもあるのです。その点ではニュータイプは古代人類との接点を持っていますが、地球の主義を乗り越えることで宇宙の力の一部を初めて手にするニュータイプは宗教に依存しなくてもその謙虚さを保つ道を見いだすでしょう。


  • ともあれ、アナハイム社に最初から政治経済をコントロールされてきた火星圏では、私たちのような火星主義結社は非合法ではないものの、実際には地下活動のようなことを強いられていました。反体制活動への関与がアナハイム当局に知られれば、就職で不利益を被ったり不当な理由で逮捕されたりするということは自明でした。


  • でもすぐに私たちの主張は、火星や火星圏コロニーの人々、アンチAEの言論界・科学界・非営利組織や少数派政治団体の一部からも支持を獲得しはじめました。


    1. 2006/04/10(月) 23:45:52 |
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    Episode 4: 火星主義革命運動の形成(2)コーピス "Marsist Revolutionary Movement 2: COPIS"

  • ちょうど同じ時期にサンズとは別に、失業者や低賃金労働者たちの多い地区・コロニーで勢力を伸ばしていたグループがありました。それが宇宙人民会議コーピス (COPIS: Congress Of the People In Space) です。 実は私はコーピスにも加入してるんです。


  • コーピスはサンズ同様に火星主義思想の流れを受け継いではいますが、サンズが人類の進歩のあり方を大局的に問題にするのに対して、コーピスは人間の解放と下からの解放革命をめざす組織として、抑圧された大衆に支持を得てきました。


  • コーピスの解放という発想は、まず第一に支配からの解放を意味しています。それは火星圏人類とりわけ貧しく職のない人々が被ってきたさまざまな困難の根本的な原因が、地球圏の支配者たちによる旧システムの新世界への押しつけにあるのだ、ということを私たちに気づかせてくれたのです。


  • そしてまたコーピスの解放思想には、人間の深い部分にある潜在能力(真の人間性)を諸々の拘束(引力)から解き放つ、という人間回復への想いがこめられています。宇宙のフロンティアに立ち向かう人類は、その厳しい環境を克服してゆくためにも、人間の潜在能力を開花させるパイオニアにならなければならないからです。システムの革命と同時に人間性の革命も必要となったのです。


  • 火星圏における火星主義革命運動の台頭こそは、人類史の根源的な変化の予兆です。新たな人類に示された二つのベクトル、進歩と解放は、最終的には同じ地点を指し示しています。サンズとコーピスは圧倒的な権力をもつ共通の敵を前にしながらも着実に組織力を拡大してきました。



    1. 2006/04/11(火) 00:22:07 |
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    Episode 5: 旧い地球文明の否定 "Rejection of the Old-World Earth-ish Civilization"

    05a
  • さて、火星主義革命 (Marsist Revolution) の最終目的は「人類のハマーン化とシステムのΛ化」(平たく言えば生命と宇宙の再結合ですが、詳しくは後ほど説明します)を通じた新しい生命圏の創造ですが、私たちはさしあたって革命の前段階として、愚劣な地球文明を拒否する (rejection of decayed Earth-ish civilization) 必要があります。


  • サンズの設立綱領には、否定すべき地球文明のエッセンスとして、「地球中心主義、物質エネルギー依存、市場主義、資本主義、賃労働システム、土地・生産手段の私的所有、知的所有、営利企業、世界金融資本、大量生産・大量消費、国家、独裁制、国家社会主義、神、宗教政治、議会制民主主義、ミリタリズム、帝国主義、ナショナリズム、民族主義、官僚制、階層制、マスコミュニケーション、世論操作、盗聴制度、商品文化、貧困、精神的貧困、無知、差別、暴力的言動、環境破壊、家族制度、家父長制、マスキュリニズム、個人主義、全体主義、欺瞞的公私分裂、表層主義、倫理道徳主義、エロス抑圧 (Earth-centered ideologies, dependence on material energies, market economy, capitalism, wage labour system, private ownerships of land and means of production, intellectual property, profit-making corporations, global financial capital, mass production and mass consumption, state system, dictatorship, state socialism, god(s), religious politics, representative democracy, militarism, imperialism, nationalism, racism, bureaucracy, hierarchy, mass media, control of public opinion, wiretapping system, commercialized culture, poverty, mental poverty, ignorance, discrimination, physical and verbal violence, environmental disruption, family system, patriarchy, masculinism, individualism, totalitarianism, delusive division of private-public spheres, superficialism, moralism, repressed eros) 」があげられています。こうした時代錯誤なオールドタイプ用システム・慣習・イデオロギーの火星圏への移植を一刻も早くやめさせる必要がある、というのが私たち火星主義運動に共有された意識なのです(写真:サンズ発行のポスター)。


  • ちなみに火星主義はジオン・ダイクンのコントリズムとは全く異なります。たしかに両者は宇宙に出た先進的人類に希望を与えるという点で共通点はありますが、私たちは非科学的な聖地思想は受け入れませんし、単なる政治的独立を目指しているわけでもありません。かつてのジオン公国やネオジオン右派勢力に至っては、スペースノイドの先進性を地球的な「選民思想」に曲解し、地球人を武力で脅して富と権力を自分たちのものにしようとすることで、愚かしくも自ら地球化=オールドタイプ化=退化してしまいました。地球連邦に宇宙での軍事行動と植民地化の手っ取り早い口実を与え、地球文明原理主義勢力たるティターンズの台頭を招いただけのジオニズムは、私たち火星文明の進化の方向とは全く相容れないものです。また旧世紀の様々な進歩的知見(リベラリズム、ソーシャリズム、コミュニズム、アナキズム、フェミニズム、マルチカルチャリズム、エコラディカリズムなど)が程度の差こそあれ地球文明の部分否定(いわゆる三次元覚醒)に過ぎなかったのに対し、火星主義は愚劣なる地球型文明を核心から覆し、システムと人間性(つまり文明総体)の全面的な革命を通じて、新しい生命圏・新しい歴史の創造をめざすという高次元覚醒なのです。



    1. 2006/04/11(火) 00:28:23 |
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    Episode 6: シャングリラの黒い影 "Shadow of Shangrila"

    HK06a
  • ハマーン様はいわゆる「第一次ネオ・ジオン戦争 (First Neo-Zeon War)」でネオジオンを失い、本人も重傷を負ってしまいます。 この戦争の歴史的意味については、地球の皆さんと私たちとでは根本的に解釈が違います。


  • 私たちサンズは数年前、アナハイムの中枢サーバーをハッキングして入手した極秘文書の中に「シャングリラ作戦 (Operation Shangrila)」なるものを発見しました。


  • アナハイムらしいこの卑劣な作戦の内容は、アナハイム製殺戮兵器である新型78と同期化しうる素養を持った少年をシャングリラで内定し、その妹の拉致を演出することでネオジオンと対立させ、もともと宇宙育ちの少年達と戦う意志はなかったハマーン様を揺動し、最終的に拘束・殺害する、といった内容でした。


  • しかもこの作戦は、より大きな政治的謀略に巧妙に組み込まれていました。シャングリラ作戦を調査する過程で私たちは、アナハイムと地球連邦上層部の中に、グレミー・トトに代表されるネオジオン右派を背後で操ってコロニー落としを行い、ハマーン派を政治的に孤立させるという極秘計画があったことを知ったのです。これに関わったと思われる政府高官の何人かは、翌89年から91年までの3年間に、不自然な「交通事故」や「病気」によって死亡しています。


  • ハマーン様は不穏な動きを薄々感じ取って警戒していましたが、何百年もこうした醜い政治的謀略を繰り返してきた地球圏の支配者たちの方が、狡猾さではやはり一枚上手でした。地球連邦上層部とネオジオン右派の共謀によるコロニー落としで組織が分裂し、アナハイムの最新兵器を用いたエウーゴ主導の揺動作戦の結果ハマーン様が負傷してしまったため、ネオジオンの敗北は決定的になったのです。


  • 戦争でいつも犠牲になるのは罪もない民衆であって、戦争をこの世からなくすことができなければ私たちに未来はありません。しかし重要なことは、一体誰が戦争を望んできたのかということです。


  • あの戦争は地球の支配者たちに立ち向かったハマーン様を抹殺しようとする地球連邦・エウーゴそしてアナハイム社の上層部、つまりアナハイム帝国 (Anaheim Empire) によって企画された戦争だったのです。ハマーン様が一方的に戦争を引き起こしたとする「ハマーン戦争」論 ("Haman War" Theory) は根本的に間違っています。


  • その後の歴史について皆さんが教えられてきた事の多くも偽りです。皆さんもご存じのように、あの後すぐ、「ネオジオン降伏へ、独裁者ハマーン・カーン死去」というニュースが地球圏全域に流されました。しかし実際には、負傷したハマーン様はグラナダ近郊にあるブアブグレイ収容所に連行されます。ハマーン生存の事実を知る数少ない人物のひとりジュドーは、木星圏に渡って表舞台から忽然と姿を消します(その後ジュドーはエウーゴの工作員ルー・ルカによってエウロパで殺害されました)。


  • 06c
  • ブアブグレイはエウーゴが管理する超法規的な「政治犯」強制収容所 (poitical detainee camp of AEUG) で、一般にはその存在は明らかにされていません。エウーゴ・アナハイムはネオジオンの軍事機密や地球圏での反体制組織の情報を得るため、ブアブグレイ収容所でハマーン様を拷問・虐待 (torture/ abuse) しました。


  • この時ブアブグレイに指示を出していたのがアナハイム会長の息子ドラムズフェ・ル・カーバイン中佐で、直接手を下していたのがメッチャー・ムチャらエウーゴ参謀に近い者数名とシロウ・I・ムラサメ率いる生体実験・生物兵器 (living-body experiment & biological weapons) 専門の秘密組織、通称「ミドリ731」部隊でした。詳細はとてもお話しできませんが、犯罪者達はそこでハマーン様に想像を絶する苦しみと辱めを与えました。ハマーン様にはそれに耐える精神力があったのですが、数ヶ月に及ぶ陵辱の日々で身体の衰弱は限界に達していました。


  • ブアブグレイでのハマーン様の怒り・苦しみから発する強烈な波動は、88年から89年初頭にかけてエウーゴに潜入していたコーピス急進革命派ゼイン・マークスを月に呼び寄せました。ゼインはハマーン様を助け出し、収容所管理施設を爆破した上で、彼女を火星圏のスペースコロニーに連れて行きます。


  • なお、ハマーン様脱出後数年以内にブアブグレイの真の犯罪者たちは、セキュリティの厚いドラムズフェと潜伏を続けるシロウの二名を除き全員が「天罰」を受け、復元不可能な永久去勢処理を施されることになります。報復としてリークされたとされるハマーン様陵辱動画は本物である証拠もなく、かえってハマーン様への世論の支持を高める結果に終わりました。オールドタイプの世界では法律は権力者を守るために存在するため、真の犯罪者が社会的制裁を受けることはまずありません。ドラムズフェとシロウには、より過酷な未来が待っていることでしょう。



    1. 2006/04/11(火) 00:48:15 |
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    Episode 7: ラムダ・サンとハマーン様 "Lambda Sun & Haman sama"

    07a
  • ブアブグレイ脱出後、ハマーン様は長期療養生活に入ります。そして療養中に運命の人、ラムダ・サン (Lambda Sun) と出会うことになります。ラムダは火星圏コロニーのスラム出身で、コーピスを結成・指揮し、火星主義革命運動を率いてきました。ラムダは不思議な力をもっているのですが、それはなかなか説明しづらい力です。一言で言い表すならば、ラムダはあらゆる面で人類の進化を先取りしたような人です。


  • 「彼女」は火星圏でも指折りの美人だと思います。本人は全然意識がないんですが、コーピスのメンバーの多くはラムダに惚れているんじゃないでしょうか。外見だけじゃなくて内からわき上がってくるような美しさがあります。それに徹底して自由恋愛主義ですから、「彼女」にはいつも情熱が絶えません。


  • でも実は、ラムダは女性ではないんです。火星圏では両性具有は珍しくありませんが、ラムダは比較的珍しい真性半陰陽 (neutral intersex) です。ハマーン様が男性的地球文明を根絶するエナジーをもった女性だとすれば、ラムダは本質的にその二つの対立を超越したエナジーをもっていると言えるかもしれません。


  • ラムダは戦闘には参加しませんが、コーピス(現在では火星革命連合)の組織作り・コミューン創りや研究活動・執筆活動・リクルーティング・政治運動を指揮しています。つまりラムダは火星主義革命を下から支える草の根リーダーです。当局からは広域テログループの首謀者として指名手配されてきましたが、コーピスは殺戮を目的とするテロに加わったことは一度もありませんし、それはラムダの信念でもあります(写真: 火星圏広域警察によるラムダの指名手配ビラ)。


  • それはともかく、ハマーン様がラムダに会って大きく影響されたのは確かでしょう。ラムダは抑圧を野放しにした調和ではなく人類を解放する革命を目指していたため、ハマーン様に「共に闘おう」と言えたのです。そして、本当の力とは上から押しつけるものではなく下からわき上がるものだというラムダの思想は、傷ついた肉体と精神を癒すようにハマーン様の波動を変えていきました。


  • ラムダはハマーン様があこがれを感じる世界でただ一人の人間じゃないかと思います。噂ではハマーン様とラムダは、初めて出会った時から恋人関係になっていたらしいです。この前ハマーン様は「ラムダと話しているとキュベレイに乗った気分になる」と言っていたんです。私にはその意味がよく分かりませんが、なんだかとても相性がいいんですね。



    1. 2006/04/11(火) 02:00:48 |
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    Episode 8: 革命指導者ハマーン・カーンの誕生 "Haman Karn as Leader of Revolution"

    08a
  • 89年末からサンズがハマーン様獲得に乗り出したのは、地球的価値観をラディカルに否定し、火星圏に大いなる希望をもたらす真のリーダーを、人々が待望し始めていたからです。革命指導者とは独裁者でも単なるカリスマでもなく、人々と共に闘い、人々の革命的潜在力を具体的な革命エネルギーに転換し方向付ける媒介者です。


  • 数年前はハマーン様を危険視していたグループも、ラムダがハマーン様を革命指導者に推し、ハマーン様もラムダの考えを受け入れ、多くの民衆が密かにハマーン様を支持し始めたことで、ハマーン様をサンズに迎え入れる決意を固めたのです。時代は急激に動いていました。


  • 人類はこれまでも抑圧と闘う革命リーダーを求めてきました。旧世界においてもエマ・ゴールドマン (Emma Goldman)、マハトマ・ガンジー (Mahatma Gandhi)、ヨシップ・ブロズ・チトー (Josip Broz Tito)、ローザ・ルクセンブルク (Rosa Luxemburg)、ホー・チ・ミン (Ho Chi Minh)、アーネスト・チェ・ゲバラ (Ernesto Che Guevara) のような革命的英雄を産んだ時代がありましたし、初期のスペースノイドにとってはジオン・ダイクンがそれに匹敵する人物だったと言えます。しかし人類を地球的抑圧から完全に解放し真に新しい生命へと進化させることのできた革命家は残念ながらいませんでした。今ついに人類は、新たな生命体である真の「革命の母」ハマーン・カーンに出逢ったのです。


  • ハマーン様をサンズに迎えたあの日、ハマーン様は私たちにこう言ってくれたんです。「私はあきらめはしない、もう目覚めたから。栄光あるサンズの革命家たちよ、私とともに手を携えて、新しい人類の世作りをしようではないか」


  • 私はネオジオン時代のハマーン様の映像は何度も見ていたんですが、ハマーン様を直に見たのは実はこの時が初めてでした。いろいろ辛いことを経験されてきたと思いますが、私が想像していたよりも元気で嬉しそうな表情をしていたのが印象に残っています。かつての威厳は健在ですが、話し方が少し落ち着いて一つ一つの言葉に奥深さが増したような気がしました。アクシズで苦労されてきたハマーン様は、火星圏でアナハイムと孤立無援で闘ってきた私たちに強いシンパシーを感じてくれたんだと思います。


  • ハマーン様の理想はすぐに火星圏の解放と進歩を願う多くの人々の思いと溶け合い、革命の気運が一気に高まりました。ハマーン様は火星主義革命運動のリーダーとなったのです。



    1. 2006/04/11(火) 02:07:44 |
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    Episode 9: ハマーン様の魅力 "Charming Haman sama"

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  • ハマーン様は物静かで時に怖い雰囲気もありますが、根本的には愛すべき人です。無階級のサンズでは、ハマーン様はリーダーではあっても独裁者ではありません。「ハマーン様 (Haman sama; Mistress Haman)」という呼称も親しみをこめて周りが使っているだけのことでして、そう呼ばない人だってたくさんいます。


  • もともとハマーン様は民をシステムの被害者だと見ていましたが、パプテマス・シロッコなどと違って一握りの天才がこの世を治めるべきだと考えていたわけではありません。シロッコの思想は本質的に地球的・オールドタイプでした。彼は木星の重すぎる重力の影響で先祖返りしてしまったのです。ハマーン様はアステロイドベルトという微重力圏でニュータイプとして覚醒しました。ハマーン様はザビ家やネオジオンを一時的手段と見ていただけであって、常にその先にある人類の未来を考えていました。


  • ハマーン様は俗物達にとってはすごく怖い人でしょうが、私たち部下にとっては最高に愛おしいリーダーです。決して軍人のように周りを締め上げたりしません。ハマーン様は私たちが失敗しまくっていても、私たちを責めるのではなく、「見てはおれん」と自らキュベレイを駈って出ちゃったりします。そういうところが何だかとってもかわいいんです。


  • ハマーン様は火星圏に来てからだいぶ肩の力が抜けたみたいですね。ある時ハマーン様は、引力の底にいる俗物たちを呪いながらも地球中心の考えに惑わされていた過去の過ちについて、正直に私たちに告白してくれました。そして、「私はおまえ達といるとすらすらと本音をしゃべってしまう、不思議なものだ」と言ってくれたんです。


  • 完璧な人間なんていません。研ぎ澄まされたセンスで自分を変えていける人だけが真理に近づくことができるのです。ハマーン様が火星圏に来て生き方を変えることができたのだとしたら、私たちはそれを誇りに思うのです。


  • 09a
  • それにしても、ハマーン様は最高にチャーミングですよね。落ち着いた太く強い、光り輝くピンクパープルの、吸いこまれそうな宇宙色の、鋭角に近いくびれ青酸ガス入りイヤリング (cyanide fume-in earring) もよくお似合いです。最近ではよく腰回りを露出させてますよ。


  • 実はハマーン様のイヤリングには何種類かあって、様々な用途のガスが仕込まれています。実際、過去にハマーン様が使用したイヤリング(ゼダンの門でティターンズ総帥ジャミトフ・ハイマンとの面会時に破裂させた)に入っていたのは、ただの睡眠ガスとヘリウムガスでした。ジャミトフは完全にバカにされていたんですね。こういうハマーン様のちょっとしたいたずら心も最高に素敵です。


  • ハマーン様は運動神経動体視力が超人的です。至近距離で発砲されてもまず当たることはないでしょう。暗殺リスクの高い革命リーダーとしては大切な資質と言えます。一部ではハマーン様が全身サイボーグではないかと噂されていますが、ブアブグレイ脱出後に手術した特定部位を除いてハマーン様の身体は生身です。


  • ちなみにハマーン様は手足とも両利きです。火星圏に来る前は一般に右利きだと言われていましたが、ネオジオン・ハマーン派から入手した旧ハマーン様専用キュベレイの設計情報から両利きであることが判明しました。グリプス2の劇場の監視カメラに残っていた映像を見ると、ハマーン様がカミーユに銃を向けられた後左手に銃を持ち替えていますが、これは右利きの人間には見られない行動です。ゼダンの門(ア・バオア・クー)でもジェリドに銃を向けられた状態でハマーン様はイヤリングを左手で地面に叩きつけましたね。普段は右中心ですが、ここぞという時には左になるのです。


  • ハマーン様は強さと賢さ、勇気と繊細さ、そして俗物たちへの冷徹さと人々への暖かな心とをあわせもった人です。老若男女両性具有問わずファンが多いのもうなずけます。



    1. 2006/04/11(火) 02:16:41 |
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    Episode 10: レベッカ・マゼランと汎火星主義 "Rebecca Magellan and Pan-Marsism"

  • ハマーン様がリーダーとなってから間もなく、サンズは急激にその勢力を伸ばし始めました。いろんな勢力が入り込んできたために、内部の対立も目立つようになってきました。ハマーン様がいなければすでに分裂していたかもしれません。


  • サンズ内の新興勢力の中には、地球文明からの漸進的進化のため、官僚制や間接民主主義などを当面容認しようとするグループがあり、当然ですが政界の協力者はこの路線を強く主張しています。


  • 他方で、レベッカ・マゼラン (Rebecca Magellan) のように汎火星主義 (Pan-Marsism) を掲げるグループも台頭してきました。このグループは主に火星圏のスペースコロニーで勢力を伸ばしています。


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  • 一年戦争前、ジオン公国ギレン・ザビ総帥 (Gihren Zabi) の妾であった一人の少女がいます。名はシーマ・ガラハウ (Cima Garahau) 、後の83年戦争でジオン残党の一編隊を率いてエギーユ・デラーズ (Aiguille Delaz) を「裏切り」殺害した悪名高い人物です。極貧のストリートチルドレンであったシーマは72年、そのコロニーを訪れていた同い年のガルマ・ザビ(Garma Zabi、当時13歳)と偶然出逢い、幼い恋を芽生えさせます。しかしガルマは数年後地球へ向かい、所属も地位も帰る場所もない彼女はギレンに抱かれることで生き延びるしかありませんでした。16歳のシーマがギレンの子を胎まされていた事実を知る者は少ないですが、実はその子がレベッカ(元々の名前は不明)です。ギレンにとってシーマは性的はけ口に過ぎず、数年後に望まれてこの世に生まれるグレミー・トトと違い、極貧階級の血で「汚された」その子をザビ家に認知する気は毛頭ありませんでした。邪魔者扱いされてすぐに火星圏に送られたため、レベッカにシーマの記憶はありません。ギレンなき後ジオン残存勢力の一リーダーとして頭角したシーマにとって、旧ギレン派デラーズ殺害はまさにギレンへの計画的復讐だったのです。ちなみにレベッカ本人は故ギレンのことを「超キモ鬼畜 (ultra-satanic creepy-pig)」と蔑み、自分がザビ家の正統な後継者にならず捨てられたことを「超ラッキー」だと言っています。


  • 10a
  • レベッカは全体的に妖しい雰囲気を醸し出しています。髪の色は紫がかったシルバーですし、かなりやばい目つきをしてます。レベッカは誰にもさしずされず自らの理念に基づいて行動するスタンドアローンなニュータイプ(stand-alone new-type) で、ハマーン様を除けばサンズ所属では最も優秀なパイロットです。ハマーン様にも随分かわいがられています。独立志向のレベッカがなぜハマーン様に与しているのかはよく分かりませんが、私が思うに、彼女はハマーン様に惚れているのではないでしょうか。アグレッシブな性格の彼女がハマーン様と話す時だけ、目がとろとろになっているからです。


  • 汎火星主義は通常の火星主義と違い、火星圏だけでなく地球圏に対しても進歩的な火星主義をフィードバックすることで地球圏文明の根を完全駆除する、という極めて攻勢的な思想です。これは地球的な思想である社会ダーウィニズム (social Darwinism) の一種ではないかとの批判もあるのですが。


  • ただレベッカたちは確かに過激ではありますが、かつてのジオン公国やネオジオン右派とは決定的に方法論が異なります。汎火星主義はあくまで火星主義、つまりミリタリズムや権力関係の否定を前提にした思想で、進歩的エロスによる公共圏の組み換えを志向する点でネオアナキズムに与する潮流です。大量破壊・報復主義というよりも過激なレジスタンスと言うべきでしょう。


  • 殺戮を目的とする行為は行わないがシステムの破壊を火星圏でも地球圏でも攻勢的におこない、警察や軍隊がシステム防衛のため攻撃して来た場合にはシステム破壊行為を防衛する力の行使は容認する、それをレベッカたちは非暴力破壊活動 (non-violent subversive activities) と呼んでいるわけです。


  • もちろん大多数のサンズのメンバーはここまで過激ではありませんが、進歩的な人類による火星圏革命という共通目標を信じてハマーン様のもとに結束しています。



    1. 2006/04/11(火) 02:29:39 |
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    Episode 11: ハマーン最強論 "Haman-as-Supreme Theory"

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  • ハマーン様は革命指導者として誰よりも優れた資質をもっていますが、ニュータイプパイロットとしても最強であると私たちは考えています。


  • パイロットとして彼女に近い能力を有すると言えるのは、おそらく一年戦争期までのシャア・アズナブル (Char Aznable、クワトロ・ヴァジーナ Quattro Vageena) と現在のコーピスのゼインだけでしょう。しかし総合的にみれば、ハマーン様が人類史上最強です。


  • グリプス2での戦いでは、ハマーン様は政事と戦術指揮にほぼ全神経を集中させていたにもかかわらず、いきなりの数少ない実戦でシャアの機体を葬りました。機体の性能差や最初シロッコと二対一であったという量的・可視的な問題は、あのレベルの戦いではほとんど無意味です。むしろハマーン様が本当はシャアと戦いたくなかったのに対して、シャアは何の躊躇もなくハマーン抹殺を考えていたことから、圧倒的にシャア有利だったのです。それに後で詳しく述べますが、シャアは一旦はニュータイプとして開花しながら結局ニュータイプとして開花しきれなかった人ですから、それではニュータイプとして進化し続けるハマーン様には勝てません。


  • 地球の人々の中にはアムロ・レイ (Amuro Ray) 最強説を唱える人も多いようですね。確かに地球圏にいながらシャアに立ち向かうことができたことは驚くべきことでしょう(しかしそれを言うならニュータイプ的感性をもたないコウ・ウラキアナベル・ガトーとやりあったのもすごい)。皆さんがヒーローを希求する気持ちは分かりますし、信じることは自由です。


  • でも私が言いたいのは、宇宙は広い、ということなのです。私たちはいずれ地球圏を離れ、宇宙の大海原に打って出る必要があるのです。地球圏での文化や経済などの発展は、人類史を大きく眺めればその初歩的な段階に過ぎません。地球で生まれたさまざまなシステム・慣習やものの見方にいつまでも固執していては、新たな時代を築くことなどできないのです。


  • アムロはシャアを迎え撃つこと以外に何もできない男です。それは彼が地球的価値観から脱しきれていないために、世の中を変える動機をあまりもっていないからです。地球に引きこもった人間にとって彼は仮想的な英雄かもしれませんが、それでは新たな人類に希望を与えることはできないでしょう。彼は人類の意志を力にできないのです。アムロ最強論にはこうした大きな視野で物を見るという要素が欠けています。


  • ジュドー・アーシタ (Judau Ashta) に至っては「ニュータイプ」といわれながらあの視野の狭さ・アナクロなセンスですから、アナハイムのあのいかがわしい殺戮兵器がなかったら論じる価値もないでしょう。地球圏の権力者に利用された哀れな少年と戦う理由を見いだせなかったため(あったらジュドーは何度も死んでます)、ハマーン様はジュドーとの戦闘でまともに武器を使いませんでした。逆に我こそが正義と幼稚なヒロイズムによっていたジュドーは、殺戮兵器の力を人々の意志と勘違いし、ハイメガを直接ハマーン様のキュベレイにぶつけ、あえてそれに耐えていたハマーン様の意志を無視してさらにパワーを全開にしました。ジュドーがグレミーとハマーン様の違いを理解できなかったのも、彼が真の抑圧者と闘う知恵と能力を欠いていたためです。失望したハマーン様は、「良かった・・・強い子に会えて」と皮肉の一つも言いたくなったのです。


  • ところで話はやや脱線しますが、皆さんの中には、ハマーン様がカミーユ・ビダン (Kamille Bidan)「分かり合える」という呼びかけを拒絶したにもかかわらず、ジュドーに対して心を開こうとしたと勘違いされている人もいるかもしれません。しかしハマーン様はカミーユにもジュドーにも同じように、ちゃんとしたニュータイプに成長して共に闘おうと呼びかけていました。


  • カミーユは自分たちが抑圧者のために戦っているということも分からないまま軽薄な融和論をとなえたため(これはジュドーも同じ)、ハマーン様に「気安いな (How facile)」と核心をつかれてしまいました。「ニュータイプは分かり合える」のではなく「人が分かり合える世の中にするのがニュータイプ」なのですから、ハマーン様の心を動かせるただ一つの言葉は「共に闘おう」だったのです。ただカミーユは少なくともハマーン様から影響を受けて成長する余地は持ち合わせていました。彼はあと一歩だったのです。


  • それに対して他人を理解する意志がないジュドーには、覚醒に至る要素が何一つありませんでした。ハマーン様はジュドーを初めからまともな相手と見なしていませんでした。ハマーン様は単に罪のないジャンク屋の少年と戦うつもりはなかったので、無意味な戦いを避けるために色気まで使い彼を逃がしてやろうとしたのです。ところがジュドーは妹リィナやサイバードール少女エルピー・プルに好きだというほどのシスコン (sister complex) ・ロリコン (pedophilia) だったため、自分の意のままにできないような成熟した強い女性に恐れを抱いてしまいました。ジュドーのあまりに地球的・退行的な独占欲 (monopolistic desire) と性的破綻 (sexual paranoia) はハマーン様を震え上がらせました。実はシャングリラ作戦はそこまで計算されていました。ハマーン様の優しさと純粋さを逆手にとったのです。とにかくハマーン様とジュドーとではそもそも人間性のスケールが違いすぎて、初めから勝負になっていなかったのです。


  • 私たちは地球人のニュータイプ観はまやかしだと考えています。それは所詮ビデオ屋の創造物に過ぎません。弾をよけることが人類の進歩を意味するわけでもありません。アナハイムによる洗脳の効果で、モビルスーツを何機落としたとか、サイコミュ技術をどれだけ使いこなせるか、などといった実にくだらないことをニュータイプの能力だと勘違いしている地球人が非常に多いのです。確かにアムロもカミーユもジュドーも、自分が心地よい関係を築ける人たちの意志を感じる能力はあったようですが、彼らは自分と全く異なる境遇にある人々や抑圧された少数派のことは感じることができず、時として理由もなく怖れたり排斥したりしました。それはまさに地球文明の限界なのです。


  • ハマーン様の言うニュータイプとはそんなちっぽけなものではありません。ハマーン様はニュータイプならばもっと大きなシンパシーを持ち、世の中を刷新して新しい時代を築いていけるはずだと考えてきたのです。そのスケールで見れば、アムロもカミーユもジュドーもかなりのオールドタイプです。オールドタイプはいくら強くても、所詮は地球の支配者たちに利用される道具、つまり従属物にしかなれません。


  • でも誰が最強かということは本質的にはどうでもいいことです。一番重要なのは、その力・強さの質、つまりエナジーがどういう性質を帯び何に向けられているのか、ということです。では少し難しくなりますが、この点について以下の3つのエピソードで説明します。



    1. 2006/04/11(火) 02:49:45 |
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    Episode 12: 大いなる母キュベレーのダークエネルギー "Dark Energy of Cybele"

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  • ハマーン様から発せられるエナジーの属性は、水でも炎でも光でもなく、真空 (vacuum) または無 (nihil) だと言われています。


  • 真空のエネルギー (vacuum energy; dark energy) とは「無」から生じる反重力・膨張エネルギーであり、地球上で実践されるあらゆる法を犯すものと言えます。


  • これをネガティブな意味で「闇 (darkness)」「悪 (evil)」と知覚する人もいますが、それは地球的バイアス (Earth-ish bias) です。青い空は黒い空よりも一見美しいように見えますが、それは私たちからみればホロスコープに惑わされた偽りのセンスです。


  • 人類は長い間、大地や水や目に見える物質といった重力エネルギーにより体系づけられたエナジーに平安と恵み、そして欲望を感じ、その体系の外側にある「無」「闇」を恐れ忌み嫌う世界観を持ち続けてきました(旧世界宗教のひとつ仏教 (Buddhism)のように無に価値をおく考えは例外でした)。


  • もちろん旧世界においても科学は低次元で緩やかに進歩はしていましたが、アインシュタイン宇宙係数が生命の将来に絶望しか示さないと考えた初期人類は、真理を人類社会の目的から遠ざけてしまったのです。


  • 真理をもたず、ただ与えられたシステムの中での搾取型「生産」と仮想的「消費」を繰り返し、重力の教えに従いマスキュリンな小数者が富と権力を握るホロスコープの世界を延々と続けてきたのです。


  • 12b
  • ハマーン様はこの地球を蝕んだ旧い文明の桎梏を根本から断つ真実の希望を、初期人類が絶望をみた暗黒の中に見いだせることを人類社会に示したのです。


  • 人類がこれまで獲得しようとしてきた通常の物質 (baryon) は、宇宙を構成する「もの」全体の数パーセントに過ぎません。宇宙の主役は、その7割以上を占める真空エネルギーと、「無」と「有」の中間にあるダークマター (dark matter) です。とりわけ無の領域にある真空エネルギーはダークエナジーの核心です。


  • そしてこの暗黒に内在するダークエナジー (dark energy) こそ、重力エネルギー (gravitational energy) に体系づけられた地球的秩序 (Earth-ish order) を克服し、宇宙の宿命という真理に立ち向かうために人類が獲得しなければならない最後の、そして無限のエナジー (infinite energy) なのです。


  • ハマーン様の駈る白いキュベレイ (Qubeley) がなぜ無敵なのか。それは単に「早い」のではなく、完全に消えてしまう、厳密には刻 (time) を超えるのです。またそれは単に「強い」のではなく、刻をこえて「無」から再び「有」へと移行する過程で膨大なダークエナジーを産み出すのです。 ハマーン様専用キュベレイにまとわりついているように見えるピンクパープルのミストの正体は可視化されたダークエナジーです。


  • 12d
  • つまりハマーン様の力とは、すべてをニヒルにする破壊の力 (destructive power) ではなく、無から有を産む潜在的に生産的な力 (productive power) だったのです。


  • これは、想像力という真に人間的な能力をわずかに有していた古代人類の一部が知覚し希求していた「大いなる母 (Great Mother)」キュベレー (Cybele) の力に通じます。不幸なことに、もともと非西洋の豊穣母神であったキュベレーは、西洋の神々がよってたかってその偉大なペニスを切り刻んだため去勢されてしまい、地球文明からそのエナジーは排斥されてしまいました


  • しかし地球から遠く離れたアステロイドの故郷にキュベレーの魂は眠っていたのです。ハマーン様はまさに、新たな人類に希望をもたらす新生キュベレーです。ファンネルなどはその偉大な母なるエナジーのほとばしりに過ぎません。


  • ちなみにハマーン様のファンネルから放射されるビームは物質に依拠しないダークエナジーに基づいています。ファンネル自体も刻を越えて有から無、無から有へと転移を繰り返します。そのため物理移動ではありえない場所から装甲無視の攻撃をすることができます。あらゆる物理兵器を知り尽くし戦闘状況を誰よりも的確に判断できたシャアが敗北したのも、ハマーン様のエナジーの本質が見えていなかったからです。なお、今日ではダークエナジーと無関係にサイコミュ(脳波コントロール技術)に基づく「ファンネルもどき」を使うパイロットは多数いますが、それはニュータイプの能力とは無関係です。真性ファンネルを100%使いこなせる人は今のところハマーン様しかいません。



    1. 2006/04/11(火) 03:14:16 |
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    Episode 13: 母なるエナジーの真精髄 "Super-Quintessence of the Mother's Energy"

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  • 我々の科学力をもってすれば、ハマーン様のキュベレイの強さは比較的容易に説明することができます。もっとも、「刻を超える」ハマーン様のキュベレイが、単に四次元時空間 (spacetime) の移動をするだけなのか、それとも五次元以上のパラレルワールド (parallel world) へのトリップにまで至っているのかという点は見解が割れています。後者だとするとハマーン様はトリップ中に反物質 (anti-matter) 化していることも考えられます。実際、ハマーン様の体から時折放射されるガンマ線の発生源は、反陽子の反応である可能性が高まっています。


  • それはともかく、ハマーン様が「宇宙の力を手にした」という時、それは人が刻を超え「無」よりダークエナジーを産む方法を見いだしたということを意味しているのです。


  • 問題なのは、ハマーン様のこの特殊能力が一体何によって獲得されたのかということです。


  • これについては、アステロイドベルト (Asteroid belt) の特殊な物的環境と極度の虚無感・人間不信からくる一種のサイケデリックトリップ (psychedelic trip) により、ハマーン様が刻を超え「無」に至る方法を獲得したという説もあります。ハマーン様はアステロイドベルト時代について多くを語ろうとはしませんが、「私はいつも一人だった」と回想していたのを耳にしたことがあります。仮にそうだとすれば、生きた人間が「無」に至る過程とは、やはり想像を絶する苦しみを伴うものなのかもしれません。こんないんちきな世の中では人は一旦絶望的なまでに孤独にならなければ真実に近づくことができない、というのは確かにそうかもしれません。


  • しかしこれだけでは、7年前よりも現在のハマーン様の力が格段に増しているという事実を説明できません。つまりキュベレイが「無」から「有」に回帰する際に産み出されるエナジー量が、ハマーン様が火星圏に来てから大幅に増えているのです。


  • これはこの世の究極つまり第五元素 (quintessence) だと思われていたダークエナジーのさらに深部に、あるいはこれまで存在が証明されてこなかった12次元 (twelfth-dimension) に、第六元素 (super-quintessence) と呼べるような何かが存在する可能性を示唆しています。人間がこれを知覚できるとすれば、それは真実または真理 (truth) であると人類が考えてきた領域(人間が知覚できる究極の限界点)に他なりません。


  • 13b
  • そしてここに私たちは、ハマーン様の母なる力と火星主義革命の真理とのダイナミックな結合 (unification) を見いだすのです。


  • ラムダはハマーン様に、解放された進歩的なエロス (liberated and progressive Eros) こそがキュベレーエナジーを完全なものにするのだということを身をもってハマーン様に示しました。ラムダがハマーン様の恋人になっていなかったら、ハマーン様のエナジーは真に生産的とはならなかったでしょう。


  • なぜなら単にエナジーを産みだすことが自ずから生産的なのではなくて、それが解放 (liberation) や進歩 (progress) という膨張的動機と結びつくことによって、産むという行為が初めて生産的となるからです。引力に魂を惹かれ真実を遠ざけたままでは、そこで産み出されるエネルギーや物質は、搾取と浪費、暴力と破壊を繰り返す抑圧的循環を構成するに過ぎないのです。


  • つまり人類の解放・進歩という火星主義の理想への一点の曇りもない信念と、それを支える火星圏の人々からの集合愛・集合エロス (collective love & collective Eros)、これこそが現在のハマーン様のもつ凄まじいエナジーの真精髄(第六元素)となったのだと私たちは信じています。



    1. 2006/04/11(火) 03:31:52 |
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    Episode 14: 人類のハマーン化とシステムのΛ化 "Hamanization of Humanity & Λ-ization of System"

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  • 今回の話はちょっと難しいですが、ハマーン様からのメッセージの核心ですので必ずお読み下さい。


  • 私たちはハマーン様を現時点で最も進化した生命体だと考えていますが、盲目的に彼女を崇拝しているのではありません。盲目的偶像崇拝は地球的なモードです。私たちの目は私たち一般の人々自身に向いています。民衆の力こそがハマーン様が産むエナジーの精髄だからです。


  • 現在私たちはハマーン様のエナジーの構造解析を精力的に進めています。ハマーン様が獲得したエナジーを私たち民が共有する(ハマーン様と結合する)道、つまり全人類一人一人がハマーン様と同じ力をもつ世の中を創り出す方法を探求しているのです。私たちはこれを、人類のハマーン化 (Hamanization of Humanity) と呼んでいます。


  • ネオジオンではこのようなことはあり得ませんでした。百万回「ハマーン様万歳」と叫んだところで、盲目的追従ではハマーン様のもつエナジーを人々が受け継ぐことはできないのです。それでは人類史的にみて無意味です。


  • 私たちのハマーナイゼーション計画は、アナハイム系ゲノミック・インペリアル社 (Genomic Imperial Co.) によるハマーンDNAを用いた生殖商品 (reproductive commodity based on Haman's genome) やハマーンクローン (cloned Haman) の特許化 (patent) に見られるような、巧妙な人身売買 (human traffic) とは全く異なるものです。ゲノミックはミドリ731部隊との関係が噂される会社で、ハマーン様の遺伝子情報 (gene information) や卵細胞 (proto-egg-cell) をブアブグレイから入手したことは間違いありません。彼らはたとえ高度な能力をもつ固体の遺伝子を用いたとしても、遺伝子の画一化が長期的には種としての進化を阻害すること、ニュータイプの獲得するエナジーは遺伝子に宿るのではないということを意図的に隠蔽しています。確かに遺伝子を操作してフィジカルな「変化」を起こすこと自体は時には有用なことです。しかしそれは知的生命体としての進化とは全く無縁のことです。宇宙が150億年かけて、地球が46億年かけて、そして人類が1万年かけて築いてきた生命の情報をただ「解読」しただけで私物化している俗物達は、むしろ生命の進化を妨害していると言えます。 私たちはこうした企業犯罪 (corporate crimes) を放置しておくつもりはありません。ハマーン様は俗物達に、私欲に縛られた生物というものが宇宙史的に見ていかに愚かで低次元であるかを思い知らせるでしょう。


  • 14a
  • 人類のハマーン化計画で私たちは、人自身、人と人の関係、人と自然(宇宙)との関係についての覚醒 (awakening) という知的生命体のもつ究極的能力の中に、人類全体が多様なる個性を維持しながらハマーン様のエナジーを共有し、つまり共にニュータイプとして覚醒し、さらに自らを進化させてゆく条件を探ろうとしています。ハマーナイゼーションは、利益や権力のための人為的なエナジー増強策ではなく、エナジーを産むメカニズムを解明してそれを人類全体に普遍的に提供する事業です。それにより誰もがニュータイプに進化を遂げる条件を手にしますが、あくまでそれは個々人の意志の力によって多方面に多様な方法でなされるのです。誰かが決めた特定の目的地に人々を連れて行くのではなく、どこへ向かうのかを一人一人が判断していく、そのための覚醒プロセスを私たちは後押ししているに過ぎません。


  • そもそもこの瞬間の私たちを含むこの世界が無数の並行宇宙の一つに過ぎないように、知的生命の進化も多様な方向へと進むのが、大宇宙の拡散性にそった道理だと言えます。私たちは地球や重力にすがる地球人の生き方を全否定はしませんが、それは無数に拡散する進化プロセスの一点に過ぎないと考えます。宇宙に出た人類が地球=重力的拘束から解放され、新たな人間性と文明システムを築いて拡散していくことは、すなわち地球という特殊な自然から生まれた生命が大宇宙という普遍的な自然に再結合(reunion)するプロセスなのです。


  • 地球文明(=重力文明)の限界とは何でしょうか。重力とは物質を一点に集中させることで星や生命を産むという大変貴重なエナジーなのですが、その副作用として物事に上・下などの秩序をもたらします。この原理にそって生命も強い者と弱い者とに分裂し、一点に集中したエナジーを争い合うことを強いられます。そのことがある時点で知的生命の進歩を制約します。人類が身分や階級や人種によって分裂して殺戮・破壊を繰り返しながら限られた資源を奪い合い、他の生命・他の人間を搾取・支配してきた歴史からもそのことは明かです。


  • 旧世紀の地球では、人々が化石燃料(fossil fuels)および原発・核エネルギー(nuclear energy)から太陽光・風力・波力・地熱・水力などの再生可能自然エネルギー(natural reusable energy)へのシフトを求めた時代がありました。化石燃料や核エネルギーは一部の愚劣な連中が富と権力を占有することが容易な一極集中型のオールドエネルギーで、それゆえに高価で様々な環境・人的被害をもたらしたにもかかわらず権力者達はこれに固執してきました。当然、再生可能エネルギーは安価でより大きなエネルギーを持続可能に生み出すものですが、その拡散性・集産性ゆえに富と権力の独占を揺るがすものとして弾圧されていました。地球のバカどもはいまだにオールドエネルギーに依存して自ら地球を壊し続けています。そのため地球は不可逆的な温暖化スパイラルに陥り、また核廃棄物の管理を10万年以上も強いられるという愚かしい状況に追い込まれました。さらに地球の愚劣なる支配者達は、一定のエネシフトが避けられないと見るやいなや、それをエネルギー商品の選択肢の多様化といったくだらない問題にすり替え、富と権力の集中という最も核心的な問題から人々の目をそらすことで退行した人間性と社会システムを保持しつづけてきました。ニュータイプの世界を作るということは、まさにこの旧世代の不完全なエネシフトを、宇宙規模のエネシフトに組み替え、さらに人間性と社会システムを、究極的に拡散的で集産的な最終エネルギーである「ダークエナジー」に適した仕様に変革する、という壮大なプロジェクトなのです。


  • 宇宙的視野でみれば、真実なき技術進歩により傲慢さに支配されるようになった人類が地球上で生み出してきたものとは、悲しいまでに愚劣な文明なのです。「下」にいる多くの人々のエナジーは「上」にいる少数の人々に操作・利用され、ばらばらになって文明的愚劣さと闘う力を奪われ、やがて真実に無関心になってしまいました。にもかかわらず多くの人々はそのことに悪戯なまでに無自覚で、金だ業績だ売上だ消費だグルメだ美だ進学だ就職だ結婚だマイホームだ浮気だ老後だ道徳だ改革だ防衛だ個人だ国民だのと右往左往しながら、システムが作り出す幻影を現実だと見間違え、ちっぽけな自己満足に引きこもったり他人をけなし合ったりしています。換言すれば、地球型人類は引力に魂を引かれて知的退化に陥っているのです。この重力に支配された人間性、重力に支配された社会システムには、知的生命の進化を抑制するという致命的な欠陥があるのです。このまま自然と人間のエナジーをこのくだらない文明のために浪費しつづけていては、人類は持続不可能な知的絶滅種になります。


  • 宇宙にはそもそも上下の概念がなく、集中ではなく全体に拡散膨張するΛエナジーを秘めています(λとはアインシュタインが用いた記号)。このΛエナジーは物質(有)ではなく真空(無)を源としているため、ダークエナジーと呼ばれます。ダークエナジーは重力のように強力な一点をもたず大宇宙のどこにでも存在し、膨大なスペースから生じる集散力・集合力として現れ、宇宙と共に無限に成長していきます。ラムダが教えるように、この拡散・集産的真空エナジー (pervasive and collective energy of vacuum) は一局集中・階級的重力エナジー (centralized and hierarchical energy of gravity) よりも圧倒的に強いだけでなく、エナジーの集中に起因する支配・搾取・排除など進化の制約要因を根絶するために人類が手にしなければならないエナジーなのです。すなわち初期人類がニュータイプに進化するためには、重力的エナジーに支配された地球文明の限界を乗り越えて宇宙的自然に帰る必要があるのです。


  • 科学も宗教も道徳も物質的豊かさも利己的な愛も、長い目で見れば人類の希望にはなりません。私たちは地球文明の致命的限界を、人類のハマーン化を通じたシステムの"Λ"化、すなわち重力的体系にもとづく地球文明の、真空的体系にもとづく宇宙文明への組み換え (conversion of Earth-ish civilization based on gravity system into cosmic civilization based on vacuum system) によって克服しようとしています。これこそが私たちの革命の定義 (definition of revolution) です。ハマーナイゼーションとΛ化は表裏一体の関係にあります。Λ化された文明は新たな人類の拡散的・集産的そして真に生産的なエナジーによって無限の進化を遂げていきます。支配や搾取、排除といった重力的原理(争いや傲慢・欺瞞の根源)は、すべての人々が共有する母なるエナジーに圧倒され、人類史からその姿を消すことになるでしょう。


  • ちなみにハマーナイゼーションは人類の「女性化」や「母性化」ではありません。あくまでハマーン様が獲得したエナジーを人々が共有すること重要なのです。私はこれまでマッチョな重力エナジーに対する分かりやすい対抗図式として「母なるエナジー」という女性を連想させる言葉を使ってきましたが、厳密に言うと正確ではありません。キュベレー=Λ=ダークエナジーは「無」を根源にしている以上、本来的に半陰陽型 (intersexual) ・ふたなり型のエナジーであると言うべきでしょう。しかしふたなりの存在すら知らない多くのオールドタイプ地球人にはなかなかそれでは伝わらないので地球的アナロジーを便宜的に使っているだけです。ハマーン様は女としてこの力を手にしましたが、理論的にはハマーン化によって男もこの領域に達することができるはずです。性的には男と女という偽りの二項対立から脱却し、ふたなりという第三の性を得ることがニュータイプの世界にとって鍵となります。



    1. 2006/04/11(火) 03:46:39 |
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    Episode 15: ラビアン新保守政権による弾圧 "Oppression by Neo-Conservative Labien Administration"

  • サンズとコーピスの台頭は、火星圏の政局に大きな影響を与えました。アナハイムにコントロールされた火星の歴代政権にとって、その基調政策は地球連邦・エウーゴ・ネオジオンその他の諸勢力との等距離外交でなければなりませんでした。その「平和政策 (peace-oriented diplomacy)」がアナハイムの企業としての合理的戦略、つまり軍需の創出であることは自明なんですが、それはともかくこの「平和政策」を批判する者はあまりいませんでした。


  • ところが80年代末から火星主義革命運動 (Marsist Revolutionary Movement) が高揚しはじめると、この「平和政策」を否定して憲法改正を声高に叫び、対サンズ・コーピス実力排除路線を掲げるネオコン反動勢力 (neo-conservative reactionary force) が台頭しました。彼らは旧世界の白人キリスト教狂信集団「プロライフ (Pro-Life)」の思想を崇拝する傾向があり、中絶反対・男性優位・家族の復古・ナショナリズムを唱えるとともに、「神を冒涜」している同性愛・バイセクシャル・両性具有者やマイノリティのコミューンを殲滅するための「聖戦」を呼びかけています。彼らはまさにオールドタイプの権化といっていい人々です。


  • この新保守勢力が91年火星の首都ニューホープで担ぎだしたのが、超人気女優ラビアン・リー (actress Labien Lee) です。ラビアンの主演映画のうち『星と共に去りぬ (Gone With The Planet)』『楊貴妃 (Yang Kuei-fei)』は、父権保護団体や復古主義者に高い評価を得た作品ですが、サブカル評論家の多くはアナハイムの政治的プロパガンダ (political propaganda) だと批判してきました。ラビアンはアナハイム子会社ソミー・エンターテインメント (Somy Entertainment Inc.) により火星圏で中高所得者向けに販売されている、家事・愛玩用女性型アンドロイド「楊 (Yang)」の人間プロトタイプとしても高い人気を誇り、楊の人工知能プログラム (AI: artificial intelligence) に自動で常時アップデートされるラビアンのセンス・思考パターンや思想信条は極めて大きな社会的影響を及ぼしています。しかもアナハイム系大手量販店ウォーマート (War-Mart) で販売されている下層民向け廉価版の楊のインテリジェンス値は意図的に低く設定されています。当然サンズは楊の不買運動 (boycott) を行ってきました。


  • 15a
  • ちなみにアングラで普及しているハマーン様型愛玩用アンドロイド「ハニャーン (Hanyan)」は私たちが製造しているものではありません。あれはハニャーン愛好家、いわゆるネオ腐男子・ネオ腐女子たちが好き勝手なプログラムを作って販売しているもので、ハマーン様は大変迷惑しています。数年前は20歳女性版(プロトハニャーン)しかありませんでしたが、現在は8歳(モモ)・14歳(少女)・16歳(アドレセント)・20歳(お姉様)・26歳(英雄)・33歳(妖星)・45歳(ニルヴァーナ)の女性版および各男性版・両性具有版の計21バージョンが出回っていて、サブカルシーンでのハマーン人気を警戒して連邦公安当局が取締りに乗り出している始末です。私たちはサンズのサイバーホーム上で人工知能修正プログラムを無償提供して、ハニャーンユーザーにAIプログラムの全面書き換えを呼びかけています。サンズ・オフィシャル・ハニャーンAIは人工知能ウィルスへの最も信頼できる防壁を保証し、アンドロイド潜入など公安当局やACIAによる白色サイバーテロル (white cyber-terror) からユーザーを防衛します(photo: female-adolescent-type Hanyan asking for SANTH's official-AI)。


  • ラビアン政権 (Labien administration) は、サンズやコーピスやその他の社会的少数派を広域テロ集団 (broad-based terrorist groups) に指定することで、「積極的平和」のためと称して「対テロ戦争 (War on Terror)」を正当化してきました。


  • ラビアンの明るく元気な若妻としてのイメージが権力者であることを感じさせにくいのですが、実際にはニューホープ市長は火星連邦政府において最も強い発言力をもち、また火星圏スペースコロニー自治連合政府に対しても強い影響力をもっています。そのため、ラビアン新保守政権の誕生はサンズとコーピスにとって大きな試練の始まりを意味していました。


  • メディアによる世論操作がエスカレートし、何千人もの活動員が不当逮捕されたり不可解な事件で消去され、抗議デモは徹底的に武力鎮圧されるようになったのです。力こそ正義というネオコンの哲学は、まさにティターンズに通じるものがあります。



    1. 2006/04/11(火) 04:45:05 |
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    Episode 16: ハマーン火星革命戦争の勃発 "The Outbreak of Haman Martian Revolutionary War"

  • それでもハマーン様の大衆的人気をラビアン政権が無視できなくなった92年の年末、ラビアンは私たちに話し合いを求めてきました。ハマーン様はこの協議で問題が解決できるとは考えていませんでしたが、火星主義革命とハマーン様の存在を世界にアピールするため、93年1月、ラビアン市長との協議に入ることを約束しました。


  • 16a
  • ところがハマーン様がラビアンと会談している最中に、エウーゴ・地球連邦・火星連邦軍の連合部隊アナハイム帝国軍 (Anaheim Imperial Force) )が火星本土のサンズ地下基地を小型核兵器 (mini-nukes) で爆撃し、サンズは壊滅的な打撃を受けてしまいました。しかも彼らは理由もなくハマーン様を逮捕監禁したのです。ラビアン自身はこのことを知らされていなかったようです。


  • ラビアンがハマーンを認知してしまっては困るという連中は多いので、状況的にハマーン様がすぐに殺されるであろうことは誰の目にも明らかでした。この時帝国艦隊を蹴散らしハマーン様を力づくで救出したのが、コーピスの部隊でした。ハマーン様は二度もゼインに助けられたことになります。ハマーン様はすぐにサイドM2で体制を立て直し、コーピスその他少数派グループとともに火星革命連合 (MRA: Martian Revolutionary Alliance) を結成し、火星圏に展開するアナハイム帝国軍に対する大規模な反撃を開始しました。


  • 私たちはすぐに報道関係のサーバーを制圧し、ハマーン様による『火星主義革命宣言 (Declaration of Marsist Revolution)』 を全火星圏に配信しました。以下は宣言の中の有名なくだりです。


  • 「地球を巣立ち宇宙に出た人類は、その広大なフロンティアに新しい生命圏を築こうとしている。新しい生命体は旧き束縛からの完全なる解放と、より高度な文明水準を求める。我々は重すぎる引力の中で朽ち果てつつある地球文明を宇宙のフロンティアに押しつけようとする抑圧者たちと闘うことを決意した。火星を欲望と欺瞞が支配する第二の地球にしてはならない。宇宙を帝国の俗物たちの植民地にしてはならない。人類は今、一万年に及ぶその文明的前史を終え、宇宙の真理と共に歩む知的生命体へと進化する刻を迎えたのだ。機は熟した。人類の解放と進歩を信じるニュータイプよ、今こそ立ち上がり我らが革命に参加せよ。」ハマーン様の演説画像


  • こうしてアナハイム帝国との全面戦争が始まりました。帝国側はこの戦いを「テロとの戦争」などと旧世界の用語でレッテルを張ってますが、火星圏の一般民衆は「ハマーン火星革命戦争 (Haman Martian Revolutionary War)」と呼んでいます。この闘いはすでに単なる独立戦争などではなく、システムと人間性を刷新する火星主義革命 (Marsist Revolution) に昇華しつつあります。


  • 93年は火星圏史上最も多くの血が流された一年でした。とりわけ火星本土ではMRAの部隊の多くは物量で勝る帝国軍により粉砕されてしまい、人類の未来を信じて立ち上がった勇気ある人々の多くが散っていきました。悲しいことです。地球オールドタイプはこういう時、すぐに報復だとわめき、敵だから戦争だからといって殺人を正当化し、味方の死者を英雄・英霊として祭りたがります。彼らにとって勝利とは相手を倒すことで、殺傷能力を高める技術こそ追求されるべきものでした。


  • ニュータイプはそんな愚劣なことはしません。私たち知的生命は広大な宇宙の中に偶然生まれた脆弱極まりない存在であり、殺し合っている余裕などないのです。死は悲しみを生むだけで、英霊とは権力者が戦争を続ける口実だということをニュータイプは知っています。ラムダが指導するMRAの技術・訓練では、敵味方かかわらず生命への被害をなくして兵器のみを破壊するために費やされています。MRAではたとえ敵兵であろうと殺傷した場合は殺人が問われますし、誤射による市民への被害も罪として裁かれます。ですから火星革命のために闘う人々は、そうした他者のリスクも引き受けるという強い心を一人一人が持つのです。


  • 私たちMRAは形式的に捕虜をサンズに引き渡しますが、サンズでは捕虜に市民同等の権利義務を与えます。何も過失がなければ即時無条件にて自国への帰還の権利を与えます。殺人罪などが一般裁判で確定すれば矯正プログラム履修義務が発生しますが、それは人間回復が目的であって、地球圏の軍隊・刑務所における虐待尋問・強制過密労働・強制窮乏などのような蛮行は行いません。アナハイム系企業上層部および一部の政治的・軍事的指導者に対するケースを除き、死刑・無期懲役刑はありません。ガードが緩いように思われるかもしれませんが、結果的には私たちにとっても得るものの方が大きいのです。事実この一年で捕虜になった者のうち半数以上がサンズ圏への永住を申請しましたし、世論も帝国側の情報操作の誤りに徐々に気づきはじめ、そのことが帝国軍の士気を低下させています。そして罪を犯した者は人間的ゆとりを回復し真実に目覚めることで、結果的に自らの犯した罪に対して本当の意味で苦しむことになります。


  • 16b
  • 帝国軍の圧倒的な武力にもかかわらず、火星本土の民衆パルチザンによるゲリラ戦 (partisan guerrilla war) は途絶えるどころかむしろ拡大していったのです。人々はニューホープ近郊のアナハイム主力工場を奇襲して兵器生産ラインを操業停止に追い込むとともに、帝国軍の立場で人命・人権軽視の偏向報道を続けるホッグスニュース (Hogs News) の通信施設を破壊しました。苛立った帝国軍は民家をしらみつぶしに強制捜査し、居住区への空爆を断続的におこなっています。帝国側は人々に憎しみを植え付けることで、自ら敵を再生産しているのです。


  • 宇宙では火星革命連合は帝国軍と互角の戦いをくりひろげてきました。ハマーン様のキュベレイが出ると、それまで不利であった戦況が一気に変化します。ハマーン様の波動が周りのMSの動きを支配することで、素人の部隊が帝国軍のエリート部隊と互角に張り合えるようになるのです。また刻を駈けるハマーン様のキュベレイは宇宙に突然出現・消滅するエネルギー体のごとく予測不能な動きをし、その凄まじいダークエナジーの放出により時空の歪みまで発生させて他のMSを圧倒するため、いつしか帝国軍パイロットの間で「刻の涙 (Tears of Time)」と呼ばれるようになりました。MRAのクルーたちの多くは畏敬と希望を込めて「ビッグバン (Big Bang)」と呼んでいます。


  • 16c
  • MRAで初期から使用されているMS(キュベレイ系、ガ・ゾウム系、ベガ系)は、ネオジオン旧ハマーン派内通者によりもたらされた設計情報をベースに、サンズが独自の設計思想に基づいて開発・改良したものです。MRAで専用キュベレイを駈るパイロットは、ハマーン様、ゼイン、そしてエマ・シーンです。新しいハマーン様専用キュベレイ(SAX-001D: ホワイト&ピンクパープル)は、ハマーン様の進化した能力を引き出せるよう、サンズで抜本的なシステムの組み換えをおこなった機体です。ゼイン用キュベレイ(SAX-001D-N: ネイビー&シアン)もハマーン専用機とほとんど同様の仕様です。この二機はダークエナジーにのみ依拠した完全スタンドアローンのMSで、物理燃料等は本人負傷などの非常時用としてのみ搭載されます。エマ機(SAX-001M-G: ガンメタル&シルバー)もベースは同じですが、ダークエナジーへの依存率が若干下げられている分、それを補う機能・装備が充実しています(補完装備については物理エネルギーの補給が必要となります)。ダークエナジー率を除く加速性能・強度・パワー・ファンネル数などの基本スペックはハマーン・ゼイン機と互角です。ハマーンギャルドのキュベレイMk-5もエマ機に近いスペックを実現した極めて優れた機体です。


  • MRAの連合本部は、ハマーン様(サンズ代表)、ラムダ(コーピス代表)、その他の少数派反体制グループ代表4名により構成され、スペースコロニー防衛にあたるMRA基幹部隊の総指揮はエマさん(コーピス)に一任されています。


  • 93年後半以降地球圏からの増援で帝国軍部隊が大幅に増強されたにもかかわらず、MRAは着実に勢力を拡大しつつあります。人類の希望はまだ失われていません。



    1. 2006/04/11(火) 05:09:48 |
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    Episode 17: ゼイン・マークスとハマーン様 "Zeine Marx & Haman sama"

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  • ゼイン・マークス (Zeine Marx) はハマーン様よりも3つ年下ですが、私たちのような一般人には理解できない領域でハマーン様と深く結びついているようです。彼はハマーン様をブアブグレイから救出した際にハマーン様と共鳴しあい、それ以来誰よりも情熱的にハマーン様を想い支えてきました。


  • ゼインは火星圏コロニーM1のスラム街で生まれ、14歳で少年ギャング団のボスになり、18歳でネオアナキストグループに入ります(写真:火星圏で一般的に用いられるネオアナキズムのシンボルマーク。中央に宇宙的ゲマインシャフトを象徴する円とΛ=ラムダの一文字が記される)。


  • ネオアナキズム (Neo-Anarchism) は地球圏のスペースコロニーの一部でカウンターカルチャー (counter-culture) として生じ火星圏の若年ノンエリート・失業者に圧倒的な支持を得た潮流で、火星主義の人的・思想的源流の一つです。それは経済的・政治的・文化的な力の中心を完全否定してすべての人が真に自律する世界を目指しますが、それと同時に人間関係における親密圏・公共圏の発展的解消とエロスの解放・進化 (evolution of liberated Eros and progressive dissolution of private-public spheres in Gemeinschaft) を追求する点で極めてユニークです。


  • ネオアナキスト達によれば、人類が未だに引力に魂を惹かれているのは、システムの問題であると同時に、人類の自己定義、つまり人間性の捉え方に限界があったからです。初期人類は「愛」を人間性にとって至高のものと考えてきましたが、その「愛」はその他の人間的領域(好奇心・娯楽・性欲・科学的思考・思想・コミュニケーション・シンパシーなど)と人為的に分離されたことで観念化し、孤立した親密圏に閉じこめられることで矮小化・独占欲化し、人類の進化を導く原理とはなりませんでした。そしてこれを補うためにわざわざ作った公共圏も、相変わらず身勝手に争い合ったり支配欲を抑えきれない者たちによって矮小化されてきました。愛とはそれ自体単独で人間性を定義づけられるものではなかったということです。人類は未だ知的生命体としての自己規定をなしえていないのです。


  • そこでネオアナキスト達は、分裂した愛とその他の人間的諸領域をつなぎ合わせる超時空的なるものこそが、ニュータイプの人間性を定義づける究極(真精髄)だと考えたのです。それこそがエロス、すなわち他の人々との開放的・超規範的な結合によって自らを解放し進歩させようとするわき上がる膨張的衝動です。エロスを解き放ち進化させること、つまり新しいエロス (new-type Eros) の創造によって旧い人間関係を蝕んだ欺瞞的な公私分裂を解消して、知的生命が本当に幸せになれる道を模索したのです。


  • ゼインはネオアナキスト・グループの中でラムダと出会い親密な関係になったと聞いています。実は二人の関係は今でも続いていて、つまりハマーン様はラムダ・ゼインのお二人と親しくされているんですね。地球圏と比べて文化的に自由な火星圏では、恋人やパートナーは異性一人だけが基本だという通念は希薄です。近年ではむしろバイセクシャリティ (bi-sexuality) や集産恋愛 (collective love) が火星的モードになりつつあります。トライアングルが直線よりも物理的に安定しているように、人間関係も多角的結合の方が実り多く発展性があるからです。進化したエロスを基礎とする宇宙的ゲマインシャフト (cosmic Gemeinschaft) を目指す火星主義革命が、こうした人間性の革命・進化を推し進めているのです。


  • ゼインはラムダとともにコーピスを結成し、急進革命派として組織を引っ張ってきました。ゼインはパイロットとしての技能をエウーゴ潜入時に多少得ましたが、それ以外は特に訓練を受けていません。にもかかわらずゼインはハマーン様に近い能力をもつに至っています。火星圏では人間性の深部における革命・進化が、ハマーン様型の次世代ニュータイプ (Haman model of new humanity) を産み出しているのです。ゼインは「碧い彗星 (Blue Comet)」と呼ばれるMRAのエースパイロットですし、それでいてあの甘いマスクですから、ハマーン様が惚れてしまうのも無理はありません。


  • ラムダ・ゼインとハマーン様の関係はただの恋人関係以上のものです。それは異性愛・両性愛・同志愛・ニュータイプ的共感・思想・情熱など様々なものが結合しあった真にエロティックな人間関係ではないかと思います。ハマーン様はもう一人ではありません。



    1. 2006/04/11(火) 05:26:21 |
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    Episode 18: コーピスのミウとハマーンギャルドのシンリ "Myu: COPIS & Shinri: Haman-Garde"

  • コーピスは資金力に乏しい組織なのでサンズに比べて物量面では弱いんですけど、その分優秀なパイロットがいます。ゼインはちょっと別格ですが、その他にも相当強いのがミウ・スペースハート (Myu Space-Heart) とエマ・シーンです。


  • 18b
  • ミウは幼少期の83年に、住んでいたスペースコロニーが地球連邦とデラーズ・フリートの戦闘に巻き込まれて破壊され、その時に吹き飛ばされ重体となってしまいます。母子家庭のミウの母親は無保険者であったためミウの医療費を支払うことができず、火星圏での違法な長期売春契約を担保に闇医者にミウのサイボーグ化・電脳化手術 (prosthetic cybernetic surgery) を依頼しました。その後ミウは戦争孤児専門のNPOスペースハートで育てられますが、母親は行方不明になったままだと聞いています。


  • ミウは全身擬態の電脳サイボーグ (Cyborg) ですが、脳とサイバー空間が直接コネクトできる点を除けば元々の脳をもっているわけですからアンドロイドではありません。かなり暗くてアンニュイな子供です。ほとんど感情を表に出すことはなく、ラムダ・ゼインと私以外の人が何を言ってもきかん坊です。私がミウのことをいろいろと心配してしまうのは、たぶん二人ともサイボーグだということと、オリジナルの性が両性具有(ミウは男系仮性・私は女系仮性)という接点があるからかもしれません。


  • 人が話してる時にいきなり耳や眼球を外す癖だけは何とかしてほしいものです。まああの子からすれば目なんてのはただのレンズでしかありませんが、いつもは電脳ダイブしてるわけですから、何種類もの眼球を使い分けているのはただの趣味なんでしょう。


  • ミウはまだニュータイプ・パイロットとしては未発達な部分もありますが、電脳空間という非物理的領域を介して複数のリモートMS編隊を操作するのが得意です。この能力でミウの右に出る者はいないでしょう。またミウは電子戦において圧倒的な強さを発揮し、アナハイムの技術者たちを翻弄してきました。物量で劣る私たちが帝国と互角に張り合えるのも、個々人の頭脳を最大限生かしているからです。


  • シンリ(コードネーム)も微力ながらMRAを縁の下で支えています。ハマーン前衛隊つまりハマーンギャルド (Haman-Garde) は、ハマーン様の身辺警護・情報収集・ブレーントラストを担うMRAの特殊組織で、戦闘だけでなく科学技術や文化・政治経済などについても総合的なリサーチ・戦略形成・情報戦を展開しています。いろんな人がそれぞれのもつ特殊能力をハマーン様のために発揮しています。


  • 18a
  • もともと私は、かつてのアナハイム薬害事件で汚染されたDNAをもって生まれたことから身体上の障害を煩っていましたが、7年前ハマーン様と出逢ってから、体の外郭部分(皮膚・筋肉・骨・性器の一部)をサイボーグ化する決意を固めました。たとえ短い命でも今やれることをしっかりやろうと思ったからです。今ではハマーン様の大切な命を守るボディガードを務めさせてもらっています。


  • ちなみにサイボーグ化すると自分のをどうするか考えなければならないのですが、私の場合はオリジナルの顔(DNAから判定した近未来の顔)をベースにして、ハマーン様の容姿上の特徴を取り入れることで現在の顔を作りました。わりとミーハーなんです。



    1. 2006/04/11(火) 12:50:37 |
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    Episode 19: コーピスのエマ・シーン "Emma Sheen: COPIS"

    19c
  • エマ・シーン (Emma Sheen)グリプス戦役において、レコアとの闘いに勝利したものの爆風を直接くらい重傷を負いました。しかし公式記録では死亡とされていますが、実際にはエマ中尉は名もなきパイロットにより回収された後、民間の船に乗せられサイド7で治療を受けました。


  • エマさんの両目はコロニーレーザー発射時の放電によって焼かれて失明していたため、両眼球と脳の一部はサイボーグ化され、顔の雰囲気も少し変わりました。だいぶ若返ってあかぬけたように見えます。


  • エマさんの真意は分かりませんが、退院後自らの意志で火星圏に移ってきました。エウーゴは火星連邦と組んで私たち革命勢力への弾圧を始めていましたから、エマさんがエウーゴの部隊に復帰していたら間違いなく私たちの敵になっていました。でもエマさんはエウーゴ復帰を躊躇し、「テロリスト集団」とされていたコーピスに自らやってきたのです。


  • エウーゴとしてはエマさんがコーピス側に行ったことは重大な裏切り行為ですね。だから死んだことにされたんでしょう。私はエマさんの心変わりの理由を知りたかったので直接聞いてみたんですが、エマさんは「自分が信じるように生きていたいというだけで、何も変わってはいません」と言っていました。確かに自分に嘘がつけないところや周りに流されない冷静さという点では、エマさんは昔から変わっていないのでしょう。


  • 19b
  • でも私はむしろ、エマさんが自分自身を少しずつ変えてきたというところが素敵だと思います。元々ティターンズの反動的思想教育を受けて軍人となった彼女は、現場で培ったしなやかなセンスから少しずつ自分の立場に疑問を抱くようになります。そしてティターンズの殺戮行為に手を貸すことができなくなり、その敵対勢力エウーゴに寝返りました。しかしエウーゴも結局は抑圧者集団でした。火星圏の現状を目の当たりにしたエマさんは、今度はエウーゴに自分が戦うべき大義がないと感じたのです。エマさんのこのしなやかな生き方は、人がニュータイプとして覚醒する上でとても大切なものではないかと思います。信じて疑ってこなかった世界観やシステムの中で築いてきた地位を捨てるという勇気は、人間がもつ勇気の中で最も強く気高いものだからです。


  • コーピスのメンバーはエマさんを無条件で受け入れました。彼女は非常に実戦慣れしたベテランパイロットですし、部隊全体の動きを洞察し周りに指示を与えながら単体での戦闘能力も極めて高いというオールラウンド型のニュータイプです。私たちはMS戦闘ではほとんど素人集団ですから、エマさんはすぐに戦闘指揮を一任されることになったわけです。無階級のコーピスでは軍隊用語は冗談でしか用いられませんが、言ってみれば三階級くらい特進したようなものです。


  • 火星革命戦争が始まると、エマさんはMRA中核部隊の総指揮を委ねられました。宇宙での日常的な作戦行動はほとんどエマさんが仕切っています。ゼインもレベッカも単体での戦闘能力(スタンドアローン・アビリティ)は高いですが、エマさんのように大規模な部隊を任せられるタイプではありません。エマさんは私たちMRAにとって絶対に欠くことのできない人です。エマさんの身辺警護およびエマ単独指令による特殊任務を遂行するエマ特別機動部隊(ESMU: Emma Special Mobile Unit、通称「黒い六連星」)は、ハマーンギャルドに匹敵する極めて洗練されたNT部隊です。


  • 19a
  • エマ専用キュベレイはゼイン機と違い単独での奇襲戦闘を得意とはしませんが、艦隊の護衛任務につくと鬼神の如き強さを発揮します。MRAの船に取り付こうとする帝国軍のMSは、ほとんど無敵化しているエマ機に「そこ!はぁ?そこ!」と次々に墜とされていきます。つい先日も帝国軍のエース級パイロットであるヤザン・ゲーブル少佐のRX139-3Cをサーベルで一刀両断しました。MRAのパイロットの中でエマさんの単位時間あたり迎撃率は群を抜いて高いです。そのため最近ではエマ機は、帝国軍から「黒い矮星 (Black Dwarf)」と怖れられています。エマさんがとりわけ愛着を感じていた船が自分の犠牲となって沈められてしまったという過去の辛い経験がどうも関係しているようです。


  • エマさんは普段は穏健なのですが、たまにとんでもなく過激なことを口にして周りを驚かせることがあります。この前もラビアンの一般教書演説を聞いていて突然、「殺してしまうべきなのよ、こんな女」と言い放ったんです。びっくりしました。


  • 19f
  • エマさんは天然にエロかわいいんです。まず発進時の「よろし」が良い感じです。ブリッジにいるときは息苦しいのかノーマルスーツの胸元を開けていることが多いので、男どもはちょくちょくチラ見しています。集中力は多少下がるかもしれませんが士気は上がりますね。エマさんとゼインとの関係はまだ微妙です。ゼインは戦場で自律的に動くタイプなのでいつもエマさんにしかられています。エマさんは実はかなりもてるんですけど、ゼインに対してはついついお姉さん役を演じてしまうのが痛いですね。エマさんは恋愛には不器用な人のようです。



    1. 2006/04/11(火) 15:17:09 |
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    Episode 20: サンズのジェリド・メサ "Jerid Messa: SANTH"

    20a
  • コーピスが少数精鋭部隊だとすれば、サンズは連邦やエウーゴともう少し正面から対峙できる力を蓄えてきました。しかしサンズではエース級の正規パイロットがレベッカしかいないということが問題でした。私たちは戦争屋ではないので基本的に素人集団です。ハマーン様が熟練パイロットであるジェリド・メサ (Jerid Messa) をサンズに入れたのもそのためです。


  • ジェリドはカミーユが戦線離脱した後も地球連邦軍でバイアラン改(噂ではクインマンサIIの設計データを連邦が横領して開発したMS)を駈りしぶとく戦っていましたが、3年前レベッカが地球圏に偵察に出た際、無様にも彼女に戦闘で敗れて意識不明となり、そのまま火星圏に連れてこられました。


  • ティターンズ時代にはハマーン様のことを「破廉恥極まりない女」とまで言ったジュリドですけど、単に時代が読めてなかっただけなんですね。ハマーン様にワインを飲まされ、こう説得されたらしいです。「ジェリド、私といればお前は決して負けない。私といればお前は世界を正しい方向にもっていくことができる。生き延びること、私と共に闘うこと、お前にとって今はそれが正しい」。泥酔していた彼はもうろうとする意識の中でハマーン様に従うことを約束しました。「男に二言はない」という彼ですから、誰も強要していませんがサンズに止まらざるをえなくなったのです。


  • ジェリドはもともと良い素質をもっていました。地球育ちのオールドタイプであったにもかかわらず、「オールドタイプは失せろ!」みたいな楽しいノリで、宇宙に出てわずか数ヶ月でニュータイプに近い能力を発揮し始めました。ティターンズ的思想が彼のニュータイプとしての覚醒を邪魔していただけなのです。ジェリドのような腹黒さのない、まっすぐではあってもアホではない、そして運のいい人間は、ハマーン様のような進歩的なリーダーに導かれれば、その持てる能力を開花させることができるのです。


  • サンズの中ではジェリドはレベッカの指導の下で頑張ってきました。レベッカのセンスはジェリドと全く違うものなので、彼にはいい刺激になっていることでしょう。今ではレベッカとはなかなかいいコンビになっています。やっぱり彼女の尻にしかれてしまっているようではありますが。


  • そういえばこの前エマさんにも何か説教をもらってましたね。「あなたは男でありすぎるわ」とか何とか言われて。そしたらむきになって「エマ中尉(ママ)は俺の上官か?違うだろ」などと子供のように言い返してました。まだちょっと覚醒には時間がかかるようです。


  • 私の友人にはジェリド・ファンクラブ (Jerid Fan Club) 会員が何人かいます。なんでも、ジェリドが作戦に失敗して機体をめちゃめちゃにされ「だめだぁ」と戻ってくる度に、会員数が増えてるようなのです。



    1. 2006/04/11(火) 15:28:06 |
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    Episode 21: ぶどう革命:ハマーン・ヴァレー・プロジェクト "Grape Revolution: Haman Valley Winery Project"

    21a
  • ハマーン様はああ見えて実はかなりの酒豪だったりします。シチュエーションを問わず突然赤ワインを飲み始めたりします。でも火星圏の気候は地球産のぶどう栽培には向いていません。そもそも生産量が限られていますし、まして年代物なんてありませんから、ハマーン様はいつも不満そうだったんです。


  • そこでサンズの関連団体が、ハマーン・ヴァレー計画 (Haman Valley Winery Project) という大規模なワイン生産プロジェクトを開始しました。ハマーンヴァレーはイシディア・コミューン(火星唯一の非同盟中立都市)から東へ約150km行ったところにある巨大なぶどう農園地帯です。ハマーンヴァレーの生産者たちは、スペースコロニーで開発された種を品種改良して、火星の気候・大地に適した日光に依存しないぶどうの研究開発を行ってきました。ハマーン様自身も時折休暇を兼ねて、ハマーンヴァレーを訪れてはテイスティングや技術協力をしてきました。


  • 技術的には、ハマーン様のダークエナジーをワイン生産にどう応用するか、というのが最大の課題でした。ダークエナジーは太陽エネルギー、重力エネルギー、そして物質的・人的資源が乏しい宇宙の環境下で事実上無制限の生産 (unlimited production) を可能にします。つまりダークエナジーによって人類は物質・スペース・光の希少性という惑星的制約を乗り越えることができるのです (dark energy made it possible for human being to overcome terrestrial limitations like material, spacious and sunlight scarcity) 。この新しい生産体系は、人が人を搾取・支配しない新たな世界の物質的基礎になると考えられています。


  • それはともあれ、92年の年末ついに火星圏初のオリジナルブランド、ハマーンワイン (Haman Wine) が誕生しました。火星の大地とハマーン様が溶け合ったような妖艶な明るい赤紫色、恍惚とさせる麗しい香り、そして口に含むととろけるような、それでいてどんなワインよりも深く強い味わいが特徴で、まさにハマーン様そのものと言っていいワインです。


  • 21b
  • ハマーン様はご自身の名前がブランド名になったこと(生産者投票による決定)についてかなり動揺していましたが、クオリティについてはとても満足している様子です。生産開始を祝う第一回ハマーンヴァレー祭りに珍しくドレスアップして参加したハマーン様は、ワインを飲み踊り抱き合う人々を見つめ、「ただの葡萄が・・・そういうことか」とつぶやいていました。私の目の錯覚かもしれませんが、少し涙ぐんでいるようにも見えました。


  • 現在は戦争の影響で労働力の確保が難しくなっていますが、幸い戦禍は避けられてきました。すでに大規模な栽培が開始されていて、非営利ワイナリーがいくつも建造されています。


  • ハマーンヴァレーのぶどう栽培方法は地球とは全く異なります。生産の最小単位1ロールは直径70m・高さ500mの円柱で、その内面に品種改良されたぶどうが植えられ、ロールの円の中心にはダークエナジーを光と素粒子に転換・放出するジェネレーターが地上から天井まで伸びています。100のロールが密集して正方形状に建てられていて、これが1ユニットと呼ばれています。ユニット毎に温度・湿度・ダークエナジー転換方式を変えることで様々な種類のぶどうを作っています。現在までに約300ユニット建設が終わっていますが、将来的には1500ユニットを目指しています。


  • 1500ユニットが完成すれば、使用する地表面積121,500 ha(東京都面積の56%、フランスのワイン用ぶどう栽培総面積の13.4%、全地球同1.5%)、栽培面積では706,500 ha(フランス同77.6%、全地球同8.8%)で、ワイン生産量は334日(火星の半年)あたり29,700,000 kl(フランス年間総生産量の4.9倍、全地球年間総生産量の1.1倍)に達する見込みです。単位栽培面積あたりワイン生産性フランスの6.4倍、地球圏で最も高生産性を誇るドイツの3.8倍です。この驚異的な生産能力がダークエナジーの恵みです。ちなみに火星の一日は24時間37分でほぼ地球と同じ、火星の重力は地球の38%で地球圏のスペースコロニーよりは低Gです(歩幅4m程になります)。火星圏総人口は現在、地球圏の0.1%にも達していません。


  • ハマーンワインは、わずかな労働要件(一火星年間で最低6時間をハマーンワイン生産・普及・研究事業のために働くこと)を満たしてさえいれば、誰にでも無料で現物支給されます。このプロジェクトでは管理から現場作業まですべての労働が等価値と見なされ、単純に何時間働いたかが登録されます。一部の人が利益を得たり勝手に経営方針を変更することは憲章で禁じられています。シンプルで透明性があり誰にでも公正なシステムです。ハマーンワインは一般の貨幣で買うことはできませんし、長期間ストックすることもできない仕様になっているので、市場には出回りません。火星圏ではコミューンムーブメントなどのおかげで成立した格差是正法制により週18時間労働(1日6時間・週3日労働・週休4日制)が社会的スタンダードになりつつあり、多くの人々が余暇の一部をハマーンヴァレープロジェクトのような非営利平等の経済活動に使うようになってきています。余暇のうちわずか1日労働分を毎年ハマーンワイン事業に割くだけで、この最高級ワインを好きなだけタダで楽しむことができるのです。地球的な営利企業アナハイムグループのコカコーレ社 (Coka Cole Corp.) が販売している高価な(マイクロマシン入りの)水が、一握りの投資家や経営者に暴利を与えながら多くの人々を搾取し無意味に苦しめているのとは対照的です。このプロジェクトはまさにハマーナイゼーションを具体化したものなのです。


  • ダークエナジーを宿したこのハマーンワインは、生命の再生力・浄化力を高めて老化を防止し、かつ人間の脳の発達を促進する効果があるため、薬品・調味料・風呂・美容・肥料・環境など様々な分野で活躍が期待されています。また精神力と性的興奮を高める嗜好品かつ医療用鎮痛剤としてこれまで最も健康に害が少ないとされてきた大麻(marijuana)に比べて、このダークエナジーワインはより良好な結果をもたらすことが多くの科学的研究および臨床報告で明らかになっています。退行した現在の地球圏では一部の人々の欲と権力を満たすための営利事業に多くの人々のエナジーを動員する必要から、健康的な嗜好品まで邪悪なモノとして取り締まっています。多くの地球人が愚劣な連中に踊らされることを道徳倫理だと勘違いしています。なんと惨めな文明なのでしょう。太古の昔、人類がまだ腐った欲と権力に犯されていなかった頃、人は自然と結合し普通にトリップしながら生きていました。人類はいま再び時代の転換点にさしかかっています。ハマーンワインを飲んでハマーン様と心身ともに結合し宇宙の広がりを感じてみてください


  • ハマーン様のようにワインを愛する人々が安心して幸せに暮らせる日は近いのです。そしていつの日かこのハマーンワインが、地球圏の人々の荒廃した心を癒すとともに、宇宙の無限のフロンティアに拡散・普及していくことになるでしょう。さあ私たちといっしょに気持ちよく生きましょう!



    1. 2006/04/11(火) 15:47:12 |
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    Episode 22: ミネヴァ・ザビの思春期 "Adolescence of Mineva L. Zabi"

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  • グリプス戦役後、ミネバ・ラオ・ザビ (Mineva L. Zabi) はひそかにサイド6に移されました。ハマーン様はミネバをニュータイプに育てたいと思っていたため、戦場からミネバを遠ざけ、引力の影響を受けない場所で教育を受けられるように取りはからったのです。その後ハマーン様がネオジオンでミネバの影武者を使っていたことは周知の事実です(この間シャアはミネバと何度か接触していたみたいです)。


  • ジオンの公式記録ではミネバはドズル・ザビとゼナ・ザビの遺児とされていますが、容姿上のあまりの不一致から、この記録の信憑性はかねてから疑問視されてきました。近年、一般公開されたカーン家の史料およびDNA鑑定の結果、ミネバはハマーン様の義姉であるレイア・カーン (Rhea Karn、ジオン公国高官マハラジャ・カーンの長女) とシャア・アズナブルの間の子であることが明らかにされました。つまりミネバは本来ザビ家ではなくカーン家・ダイクン家の血筋だったのです。当然ハマーン様はすべてを知っていました(なお、レイアは現在行方不明とのこと)。


  • ハマーン様が火星圏へ渡って間もなく、旧ネオジオン・ハマーン派の一味によってミネバも火星圏に連れてこられました。しかしミネバの火星入りがスキャンダルで明るみになり、アナハイムの息のかかったマスコミにより「サンズがザビ家復興をたくらんでいる」という意図的な世論誘導が行われたため、ミネバはハマーン様に会えなくなってしまいました。無論、ハマーン様が火星圏でザビ家の看板を必要とする理由など全くありません。


  • その後ミネバは名前をアッティス・カーンと改名して、ニューホープの学校に通学します。中学に入ってからすぐに不登校となったミネバは、新種のドラッグ LSD-12 (advanced Lyserg-Saure-Diathylamid) に手を出したそうです。当時の写真を見たのですが、相当な変貌ぶりでした。


  • それでも、人形のように扱われていたアクシズ時代と違い、アッティスは逆境の中で少しずつ人間として成長しはじめたのではないでしょうか。去年コーピスの若いメンバーのひとりがアシッドパーティでアッティスと交わったらしく、それ以来彼女はコーピス系の無認可学校に通うようになったそうです。


  • 22a
  • つい最近のことですが、火星本土のMRA系アルカディア思想科学研究所でアッティスの姿を見かけました。驚いたことに彼女は、男系半陰陽(容姿上は男性)に性転換し、ミネバ・カーンと再改名していました。ハマーン様同様に奇跡的な美貌をもつその青年は、ラムダに似たエナジーを発していました。そして力強く闇のように澄んだその眼に、怒りや絶望を感じさせるものはもうありませんでした。アルカディア研究所では現在、ミネバ専用MSアテスの開発計画が進められています。このアテスが完成すれば火星の戦局は大きく変わるでしょう。



    1. 2006/04/11(火) 15:58:08 |
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    Episode 23: シャア・アズナブルとネオジオン共和国 "Char Aznable & Neo-Zeon Republic"

    23b
  • ハマーン様をネオジオンから追い出したシャア・アズナブルは、現在ではネオジオン共和国 (Neo-Zeon Republic) の最高権力者となっています。私はシャアが好きではありません。シャアは宇宙の民の解放を口では謳いながら、私たち火星圏の人民と共に闘おうとしていません。彼は基本的に人民を愚民と呼んでバカにしているからです。


  • アナハイム帝国はネオジオンがMRAと同盟関係を結ぶことを恐れ、水面下でシャアに働きかけてきました。世界を何も変えない融和政策 (harmonious reconciliation)にネオジオンを引き込もうとしているのです。他方、あいかわらずネオジオン右派は地球に対する大量報復・粛正 (massive retaliation, purge) 路線を主張しています。ですから昨今のネオジオンは、融和か報復かという不毛な対立に陥ってしまっているのです。


  • 93年、シャアは一時的に右派の主張に傾き、地球へのアクシズ落とし (Axis Drop) を画策します。しかしこれは火星革命に真の希望を見いだしていたハマーン様の反感を買いました。おそらくハマーン様は、自分が火星圏で闘いを始めたにもかかわらず、未だにララァの亡霊に惑わされて地球に目を奪われているシャアに深い怒りと情けを感じたのだと思います。私たちの中には地球圏の問題に介入すべきでないとする意見(事実上のアクシズ落とし容認論)もあったのですが、ハマーン様の強い意向もあって介入を決めました。


  • 23a
  • サーフはネオジオン・ニュータイプ研究所に派遣してあったリモート人形ナナイ (Model-Nanai) を通して、ハマーン様がシャアを監視できるよう手配しました(そういえばハマーン様、ナナイ人形の演技を随分楽しんでいましたが時折、「シャアめ、こんな人形を抱くのか」と少しばかりご立腹でした)。そしてハマーン様のダークエナジーを用いた巨大ワームホール (wormhole) によりアクシズを地球落下寸前で火星圏に飛ばしたため、悲劇は未然に回避されシャアも一命を取りとめました(地球では英雄アムロの功績とされているようですが、まあいいでしょう)。ハマーン様の呼びかけに対してあくまで「男同士の間に入るな」と男尊女卑ぶりを見せた彼ですが、結局ハマーン様に助けられるしかなかった情けない奴です。


  • シャア自身、ニュータイプの覚醒を待つという気安さと、ある種の支配欲・ヒロイズムとの狭間で身動きがとれなくなり、ニュータイプとして一旦開花しながら開花しきれなかった人間だと言わざるをえません。アクシズ落としの際にも、ナナイ人形に「どんな独裁者でもやったことがない悪行ですよ。それでいいのですか」と問われた彼は、人類全体をニュータイプにするには仕方のないことだと言い切ります。かつて「独裁者」を演じていたハマーン様にとっては何ともシニカルな問いかけだったわけです。ハマーン様は、そういうやり方は結局オールドタイプと同じであって、それではニュータイプの世にはならないのではないか、と彼に問いただしたのですが、シャアはニュータイプが何なのかも分からなくなっていたのです。


  • そもそもグリプス戦役時のシャアの行動は、彼のニュータイプとしての跛行性、つまり人間性のいかがわしさを証明しています。シャアはエウーゴ代表団の一人として最初にグアダンに乗り込んだ際、ハマーン様殺害に異常な執念を見せました。地球圏の一番強大な権力者たちとは慎重に関係を作っていた彼ですが、ハマーン様は問答無用で抹殺しようとしたのです。


  • この時まだアクシズはエウーゴの敵対勢力ではなかったので、これはシャアのハマーン様に対する個人的な見方の問題だったと言えます。シャアはハマーン様がミネバを「偏見の塊」に育てたことに逆上したふりをしましたが、若きハマーン様に権力を与えておきながらアクシズを捨てることで、ハマーン様に公的な重責と個人的失望を与えたのはシャア本人でした。自らの犯した過ちに気づかない人間がニュータイプとして開花することはありません。


  • しかし実のところシャアにとって、ミネバやザビ家は大した問題ではありませんでした。ハマーン様が本気でザビ家復興を目的としているわけではないということくらいはシャアには分かっていました(シャア以外は全員そう思っていましたが)。シャアがハマーン様を射殺しようとした真の理由は二つあります。


  • ひとつは、常に上から人(年下の女)を見ようとするオールドタイプ的志向性を引きずった攻撃的ニュータイプというシャアの跛行的進化(人間的ねじれ)が、成熟したハマーン様を前にして見事に破綻を来したということです。かつて自分が意のままにできた汚れを知らない少女ハマーンに心を寄せたシャアですが、自分に対して生意気な口をきくようになった非従順で自律的なニュータイプの女性ハマーン様に対し、本能的な嫌悪感を感じたのです。このセンスにシャアの人間的未熟さ・男性的傲慢さ・性的破綻がはっきり示されています。彼はニュータイプとして開花できなかったのです。ちなみにハマーン様がジュドーを「貴様もシャアと同じだ」と批判したのも、オールドタイプのような男尊女卑・ロリコン・シスコン的未熟さを引きずった男達への苛立ちからでした。


  • 23c
  • もう一つの理由は、シャアがそれまで自分よりも進化したニュータイプにおそらくララァ・スンを除いて出会ったことがなく、そのララァへの想いがシャアのニュータイプ観を矮小なものにしていたことです。実際ハマーン様はララァとは異なる方向で、シャアを超えるニュータイプに成長していました。もしシャアがこのことを理解するしなやかさを持っていれば、彼はララァに対する憧れと同じような感情をハマーン様に対して抱いたことでしょう。しかしシャアの老いたセンスではニュータイプの新たな可能性を見いだすことができず、逆に圧倒的なエナジーを持った真NTハマーン様を心底怖れたのです。自らの進化をやめ次の世代に期待しつつ研究所での人為的なニュータイプ作りに奔走したシャアと、闘いの中で自らニュータイプとして進化し続けるハマーン様の本質的な生き方の違いが二人を引き裂いたのです。


  • ところでシャアの主義主張は、彼のダカール演説(87年エウーゴの武力による連邦議会占拠時)を聴けば明らかですが、地球環境を考え人間は宇宙に出て行くべきだという単純滑稽なものです。シャアは要するに単なる宇宙人主義者 (spacenoidist) であり、視野の狭いエコロジストに過ぎないのです。これは40・50年代のジオン・ダイクンの思想から何一つ進歩していません。確かに今でもスペースノイドの独立や地球環境は大切ですが、単に人を宇宙に出せば良いというものではないでしょう。


  • シャアは人類のいるべき「場所」を問題にしますが、文明的「質」を見ていません。人類がたとえ場所を変えても、システムとしての地球文明を引きずっている限り搾取と浪費を宇宙に広げるだけです。問題は場所ではないのです。こんなことは旧世界の革命家たちやエコロジストですら知っていたことです。


  • 結局のところ、シャアはアナハイム帝国の中枢に近づき過ぎたのです。権力の中心に入り込んで世界を変えたいときざに願ってみせたとしても、それは彼を真理から遠ざけるだけでした。ハマーン様はそんなことは無意味だと最初から分かっていたため、シャアを呼び戻そうとしました。しかしシャアは自分より進化したハマーン様を怖れ抹殺することしか考えつかなかったようです。


  • シャアがシャングリラ作戦に直接関わっていたという証拠はありませんが、アナハイム上層部との太いパイプをもつ彼が、そのハマーン殺害計画を知らなかったとは考えにくいことです。ましてシャアはグリプス2での死闘で、ハマーン様のキュベレイには正攻法では勝てないと悟ったはずですから、ハマーン様を謀略的に抹殺しようとする十分な動機をもっていたと言えるでしょう。


  • ハマーン様はこんなシャアに対してもまだ望みを捨てていないようですが、それはハマーン様の器の大きさと愛の深さを示しています。地球圏のオールドタイプにはよく誤解されることですが、ハマーン様のシャアへの思いは例えそれが愛に近い感覚であったとしても、初恋を引きずった「未練」のようなちっぽけなものではありません。もしそうならばハマーン様は母性的愛を与えながら従順な補佐役・純粋な妹役を演じて「主人」を立てることで、簡単にシャアを我がものにできたでしょう。しかしハマーン様はこれだけは拒否しました。なぜでしょうか。それはニュータイプの生き方ではないからです。ハマーン様はあくまで進歩的で解放された対等・自律的な人間関係を求めたのです。


  • ハマーン様同様、私たちは一度もシャア(ネオジオン)に依存したことはありません。自分たちの運命は基本的に自分たちで切り開くのです。シャアがそれを理解して共に闘おうというのならば大いに歓迎します。しかし私たちは、シャアが融和路線をとってアナハイムと癒着し、再びハマーン様を抹殺しようとするのではないかと警戒しています。どんな事態になろうと、私たち火星圏民衆は固く結束しハマーン様をお守りします


  • 今のハマーン様にとって、そして私たち新たな人類社会を切りひらく者にとって、シャアは根本的には必要ありません



    1. 2006/04/11(火) 16:28:03 |
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    Episode 24: ルー・ルカとレコア・ロンド "Roux Louka & Reccoa Londe"

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  • エウーゴからネオジオンに移ったルー・ルカ (Roux Louka) については、私たちはアナハイムによる潜入ではないかと疑っています。というのも、私たちはシャングリラ作戦の極秘ファイルの中にルーの名前を見つけていたからです。


  • 詳細は書かれていませんが、ルーがシャングリラ作戦に関わる重要な極秘任務を受けてジュドーらと行動を共にしていたことは間違いありません。リィナをアクシズにさらわせたのがルーであったという状況証拠も見つかっていますし、戦後にジュドーと共に木星圏に向かった(おそらくハマーン様の生存を彼が公言しないよう監視するため)のも彼女です。


  • ルーがシャングリラ作戦の工作員であったとなると、ルーとグレミーとの一見不自然な関係に、実は第一次ネオジオン戦争の真相が隠されていることが分かります。ルーはネオジオン右派を利用しようとするアナハイム・連邦上層部の意向通り、裏でグレミーに接近を図りました。リィナをルーから受け取り、強引にネオジオンに引き留めていたのはグレミーです。そしてネオジオン分裂という政治的目的が達成された直後、ルーはグレミーを殺害します。当然グレミーは自分たちの後ろ盾が本当は誰なのかを知る立場にあったのですから、真相を暴かれては困る者達の意志により葬り去られたわけです。


  • 今回のシャアへの接近についても工作活動が行われている可能性は十分あります(まだ証拠は見つかっていませんが)。ルーはシャングリラ作戦の幕引きとしてエウロパでジュドーを殺害した後、おそらくシャアに惹かれて一人でネオジオンに乗り込んだと思われます。彼女の場合、過去の経緯からみて、私的な動機と工作員としての立場が複雑に交錯しますので、今回もそのような展開になる可能性が高いです。レコア同様どん欲ですから彼女。まもなくルーは出産するとのことですが、シャアの性格があれですから数年もすればルーとも疎遠になっていくことでしょう。グレミーにしろジュドーにしろ、ルー・ルカを抱いて支配者たちの駒にされた男達は最終的に全員消されてきましたが、今度はルーがシャアに消される番でしょう。システムの枠内で役割を演じている限り、所詮は小者です。


  • そういえばかつてエマさんと戦ったレコア・ロンド (Reccoa Londe) は、「女」であることの意味をはき違えていた人ですね。シャアとパプテマスに進んで利用され、それでも女として充足していると思いこんだり、自分はエマさんのような主義者ではないなどと思い上がったりと、非常に気の毒なM女だったと思います。世の中には女と男の二つの性しかないなどと勘違いしてましたし。エマさんは少なくとも、男に依存したり安易に自己本位にならず、男よりも強くありながら男の論理に飲まれない人です。オールドタイプのレコアはニュータイプのエマさんに女としても敗北したのだと思います。


  • ハマーン様は強い男にあこがれたのではなく、または支配者達の作った秩序内に自分の存在意義を限定したのでもなく、むしろ女の力で人とシステムを変えようとしてきました。ルーやレコアと完全に対照的なニュータイプの女性です。男がそれを理解するなら共に歩むが、そうでなければいらん、というのがハマーン様です。旧い思想に縛られた地球圏では、ハマーン様は「普通」の女性になれなくてかわいそうな人だとか、本当は強い男に頼りたかったなどと勝手に解釈されていますが、その感覚こそがオールドタイプなのです。



    1. 2006/04/11(火) 16:44:45 |
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    Episode 25: ガンダムとは何か?ニナ・パープルトンのアナハイム・エレクトロニクス "What is Gundam? Nina Purpleton and the Anaheim Electronics, Inc."

    25a
  • シャアは厄介な存在ですが、私たちの真の敵はアナハイム帝国、つまりアナハイム社とその体制を火星圏に押しつけてくる地球連邦・火星連邦やエウーゴです。


  • ニナ・パープルトン (Nina Purpleton)、今や知らぬ者はいないアナハイムのリベラル派CEOですが、もともとは彼女は開発技術部のエンジニアでした。エンジニア時代のニナは軍隊と癒着した兵器開発を担い、自らの開発した兵器に適した人材を直接選考するというやり方で多くのエース級パイロットと関係をもち、軍部にも一目置かれる地位を築いたとされています。目を付けたパイロット候補生たちを手取り足取り筆卸しして親密な関係を築いていったのです。この軍産複合体 (military-industrial complex) の中での独自の人脈メラニー・ヒュー・カーバイン会長に買われ、ニナは技術部から理事会にヘッドハントされました。


  • ニナの生き方はまさにアナハイムそのものと言っていいでしょう。誰にでも愛されようとするが誰も愛せない、それが男たちの闘争本能をかき立て、そしてそれをバネに彼女は自分でも知らないうちに有利な地位を得ていったように見えます。


  • そもそもアナベル・ガトーに接近してデラーズ・フリートに「星の屑作戦 (Operation Stardust)」を遂行させ、アクシズ先遣隊を地球連邦に認めさせティターンズ結成を促したことで、後の抗争の枠組みをプロデュースしたのはニナだったのです。


  • ニナはその後も何食わぬ顔で連邦・ティターンズ・エウーゴなどへの兵器提供を取り仕切ってきました。また88年当時AE開発技術部長であったニナが、第一次ネオジオン戦争を引き起こしたシャングリラ作戦を知らなかったと考えるのは不自然です。


  • つまりニナ・パープルトンこそがアナハイム帝国の暗躍をプロデュースした天才的人物だと言っていいでしょう。


  • ニナはネオコンではありません。火星主義問題に対するタカ派的回答に他の理事がなびいている時、彼女はラビアン政権に批判的立場をとりました。こうして始まったアナハイムの内部抗争は、タカ派理事会とリベラル派CEOの対立という事態にまで発展しています。


  • ちなみに理事会でただ一人ニナの味方をしてきた人物が、ブアブグレイでハマーン様拷問を指揮していた現在エウーゴ参謀本部長のドラムズフェ・ル・カーバインです。この二人の結婚とニナのCEOへの昇進は、昨年地球圏で最も話題を呼んだニュースでした。しかしドラムズフェがニナにつり合う程の男であるかどうかは疑問です。今でもすべてのシナリオを書いているのはニナでしょう。


  • ニナがなぜラビアン政権に批判的なのか、これについては多くの仮説的見解が出されてきました。ネオコン的やり方では革命派が勝利してしまうのではないかと怖れているとか、自分が女帝になりたいがゆえの嫉妬説などと様々な解釈がありますが、どれも憶測の域を出ません。


  • 25b
  • 私の憶測はこうです。ニナは人類を直接支配してしまうようなことを目指していません。ニナはそれなりにスケールの大きい(そして誤った)思想と情念をもって世界を導こうとしています。人間は奮い立ち何かを得ようとする時に最も美しい存在となり、人類は戦いによってこそ発展することができる(だから人類は自由に争い続けるべき)、戦場を駈ける白き流星はすべての人間が欲する至高の力(ガンダム)を体現し、星と宇宙がその重力的エナジーで満たされた時に人類は最も強く美しき存在に進化する、これがニナの考えるシナリオの骨子ではないかと思います。


  • ハマーン様とニナのエナジーの本質的相違は性行為についての考え方にも反映されています。多くの証言が示すところによれば、ニナは常に複数の男性との同時結合を欲しているように一見みえますが、実際には最初の射精が発生した直後に主体的交わりを止めてしまうという性癖を持っています。これはニナが結合そのものではなく女を奪い合いいきり立つ多数の男体から出る強烈な重力的エネルギーを吸収することでオルガズムに至っていることを示すものです。ニナをあばずれ呼ばわりしたり隠れフェミニストだと言う人もいますが、それはいささか浅薄な解釈です。彼女は俗物的な欲望の消費に狂っているわけでも男性の支配欲を否定しているわけでもなく、すべての男性器が自分を求めて膨張してひしめき合う、その状況に究極美を見いだしているのです。逆にだからこそ男が目的を成就して満たされたり女を独占してしまうことをニナはとことん蔑むのです。一言で言えば究極のサディストでしょう。他方でハマーン様の場合、欲する者すべてとの同時結合を究極まで昇華させることに性の意味が見いだされ、刻を越える能力をもったハマーン様との結合時にはオルガズムが永遠とも思えるような時間続くため、結合したすべての個体が支配欲・独占欲という低次元な重力的エナジーを超越し、存在として固体的対立がアウヘーベンされて新たな結合生命体として覚醒するのです。その結果、結合した者すべてがダークエナジー属性を取得してトリップから帰還することになります。ちなみにSかMかというのは重力エナジー秩序が作り出す区分であり、NTの方ならもうお分かりだと思いますがハマーン様にはどちらの分類も当てはまりません。


  • 世の中には、ニナの人格に甘い期待を寄せ、ハマーン様とニナとの巨頭会談を求める声も一部にあります。確かにハマーン様の理想とニナの理想は表面上似た部分もあります。私たちが闘っていることも、ニナの哲学を証明しているように見えます。しかし最終的な結論は真逆になります。ニナと結合しようとするか、ハマーン様と結合しようとするかによって、人類は全く正反対の方向に進むことになるのです。


  • ニナのプロデュースするガンダムエナジーはあくまで重力的体系の中で戦い続ける人間のマスキュリンな力、つまり特権的でトリクルダウンな物的・精神的エネルギー循環に依存します。人間を退化させる究極の力、それがガンダムです。それに対してハマーン様のキュベレーエナジーは、人類すべてを重力的束縛から解き放つことで、争いを究極的に根絶し、かつ永久の進化を手に入れるための、物的でも精神的でもない真実の力なのです。ハマーン様との結合によって人類全体が得る恍惚は、ニナとの常に欲求不満な疑似結合の比ではありません


  • ララァ・スンはニナのシナリオを打ち砕く潜在的能力をもっていたにもかかわらず、男達の身勝手さによりその身を破綻させ、図らずもそのシナリオに貢献してしまいました。かつてのハマーン様もシナリオの上で戦ってしまっていましたが、宇宙の力を手にし、最終的に火星主義革命に帰着したことで、ハマーン様はニナにとって完全な不確定要素になったと言えます。


  • 火星主義の真理とは対極にあるニナがクリエートしたエナジーと闘わなければ、私たちは彼女の手の内で踊らされる駒の一つになり下がるでしょう。私たちは革命を実現することで初めて、ニナのシナリオを完全に覆すことができるのです。


    1. 2006/04/11(火) 17:02:31 |
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    Episode 26: アナハイム帝国の支配に抗して "Stand Against the Rule of Anaheim Empire"

    26c
  • アナハイム帝国においてニナが軍・政界の表舞台で活躍してきた人物だとすれば、ローラ・パッカード(Laura Packard 本名オーデヴィ)はその裏世界に通じた人物です。彼女は数年前、アナハイム公安部中央情報局 (ACIA: Anaheim Central Intelligence Agency) の秘密工作員としてコーピスに潜入しました。


  • ACIAは、反体制政治組織、消費者保護団体、労働組合、敵対的企業、批判的政治家・言論人・メディアなど、アナハイムの長期戦略にとって市場外リスクとなりうるあらゆるグループ・個人に対して、潜入捜査・脅迫・拉致・殺害・内部抗争誘発などをする目的で80年代初頭に発足しました。地球連邦政府やエウーゴ参謀本部と緊密な関係を築いています。


  • ACIAはアナハイムの巨大コングロマリットとしての有利な立場を利用して、大規模な諜報活動を行ってきました。とりわけ悪名高いのがバイオナノチップ (bio-nano-chip) です。「チップ」と呼ばれていますが実際には、人体内の微量な熱エネルギーを用いて神経系統に癒着するマイクロマシン (micro machine) の一種です。このバイオチップに常駐された人物は物理移動履歴が管理されるのみならず、聴覚・視覚等のデータが常時監視され、特定の条件(これはACIAの独断で決められる)に符合するデータは即座に外部(人工衛星・空軍哨戒機・警察署・公安機動隊特殊車両など)から傍受されることになるのです。今のところ脳神経を直接コントロールするような侵略型マイクロバイオマシンの存在は確認されていませんが、アナハイムの技術力をもってすればそれも時間の問題でしょう。


  • 26a
  • 地球文明は人間の解放ではなく支配を目的とする文明だということが、こうした科学の使われ方にはっきりと示されています。人間が人間を支配(家畜化)する地球文明がその支配を完成させる力をもつに至った時、人類は事象の地平面に達して二度と重力的束縛から脱することができなくなるでしょう。それは一つの生命圏の進化史上の死を意味します。私たちが革命を急がなければならない理由がここにあります。とにかく、このバイオチップから収集された情報を一括管理しているのがACIA、つまり人類史上最も強大な権力をもった組織体、アナハイム社なのです。


  • もともとアナハイムは科学的人事労務管理 (scientific labor-personnel management) のためとして社員・契約社員、政府を含む関連団体・取引先企業の従業員やその家族にまでバイオナノチップの体内埋め込みを契約上義務づけ、また消費者に対しては年間購買費の20%を毎年還元するリベートつきの消費者需要調査 (consumer demand research) と称して「自発的」にバイオナノチップを普及させてきました。しかし88年、アナハイム傘下のフードショップ(マクダニエル)の食品や関連会社製歯磨き粉・シャンプー・避妊具・製剤などにバイオチップが混入されていたというショッキングな事件が起こります(このバイオショックによる金融恐慌をきっかけに火星圏経済は構造不況に陥ります)。結局、原告となった人権保護団体が圧力に屈して和解してしまったことで真相は闇に葬られてしまいますが、その後アナハイム側もマイクロマシンの運用には慎重にならざるを得ませんでした。


  • ところがラビアン政権の登場で状況は一変します。ラビアン政権およびコロニー連合政府は91年、テロ対策特別措置法 (Anti-Terrorism Special Measures Law) を立法化し、バイオナノチップの接種(常駐化)を火星圏の全住民・移民・旅行客に義務づけたのです。この法律は時限立法として成立したにもかかわらず、無期限延長され現在でも施行されています。しかし40%以上の人々がチップ常駐化を拒否したため、ラビアン政権は火星革命戦争勃発による厳戒令下でバイオチップの空中散布という荒技に出たのです。


  • 多くのスペースコロニーでは対テロ特措法の制定をきっかけにアナハイムへの反対世論が一気に高まり、連邦に従属的な政治家たちが次々に公職追放されるまでに至り、自治連合政府は特措法の施行を事実上棚上げしました。ところが火星連邦は特措法施行は条約上の義務であるとして、コロニーへのバイオチップ注入を実力をもってしても行わせると宣言し、自治連への圧力を強めています。


  • 幸いコロニーへのチップ注入はこれまで私たちMRAが水際で阻止してきましたが、チップ生産能力のある火星本土では散布作業を防ぎ切れませんでした。MRAが火星本土で苦戦を強いられてきた要因の一つは、散在するバイオチップによって組織的な作戦遂行が困難になったことにあります。ノーマルスーツ着用や浄水装置、食品へのマイクロウェーブ照射などで一時しのぎは可能ですが、非常にコストがかかる上、メンバーの内一人でも感染してしまえばたちまち作戦計画が帝国軍に知られてしまうのです。当然私たちは医療用マイクロマシンを改造した免疫型バイオチップを試作しましたが、現在散布されているAEの新型チップは外部から常駐解除コードなしに攻撃を受けた場合、常駐している神経組織自体を巻き添えにする(つまり人体に重大な被害を及ぼす)ようプログラムされていることが判明し、抜本的対抗策をこれまで見いだせませんでした。


  • 他方で、ACIAはサンズやコーピスのような火星主義組織への工作活動に膨大な資金をつぎ込んできました。ローラの潜入は氷山の一角に過ぎません。ローラには組織の重要な情報を得るだけでなく内乱工作の任務が与えられていました。そのためゼインに接近してコーピス内での地位を確保しようとしました。しかし彼女のもたらした情報がコーピス幹部の暗殺と支援グループへの組織的脅迫に用いられ、そうとも知らずに真実を語り続けるゼインにローラは深い良心の呵責を覚えたのです。


  • 26b
  • もうひとつローラの立ち位置の変化に大きく影響した事件があります。彼女はアナハイム開発技術部に所属していた姉ルセット(写真)が83年不慮の事故によって死亡したと聞かされていたのですが、コーピス内のサーバーから連邦軍極秘文書(コーピスのハッカーが入手したもの)を発見し、そこで姉が地球連邦軍の将校により殺害された事実を知ることになります。しかしそこでさらなる疑惑が生じました。連邦軍はルセットの技術力を高く買っており、ルセット殺害は軍の方針とも矛盾していたのです。実は当時開発方針をめぐってルセットはニナと対立していました。技術力でもニナを凌いでいたルセットの死は、ニナにとって極めて好都合だったのです。ローラが逆にアナハイムへのスパイ活動を始めるのはそれを知ってからです。


  • つい先日、ローラはMRAへの潜入を名目にアナハイム帝国を離れ、私たちに協力を申し出てきました。今はまだ保護観察中ですが、アナハイム兵器開発極秘資料やバイオナノチップ常駐解除技術など、彼女のもたらした情報の重大さ・有益さからみて、本心からアナハイム帝国と闘う決意で来たと考えていいと思います。いずれ彼女はハマーンギャルドの一員、つまり私の同僚になってくれるでしょう。



  • 私たちはアナハイム帝国の支配を遅れた地球文明の末期形態だと考えてこれと闘っていますが、決して地球に住む一般の人々を敵視しているわけではありません。地球圏人民の大多数が未だオールドタイプであるのは、文明の問題、つまりはその支配システムが原因なのです。皆さんが自らの文明を革命する意志と能力を持つのであれば、そこにニュータイプの覚醒が始まるのです。すでに覚醒は一部で始まっています。例えば、カラバ (Karaba) のベルトーチカ・イルマ (Beltorchika Irma) は火星主義の未来に心を打たれ、地球革命を準備することを私たちに約束してくれました。


  • そして今ようやく、ハマーン様のダークエナジー技術を用いて地球連邦の通信傍受・規制網をくぐり抜けたこの通信によって、直接皆さんに真実を伝えることができました。人がハマーン様のように刻を越え真実と共に生きる本質的に生産的な生命体に進化する時、重力的システムもまたΛ化され真空的体系に進化しなければならないのです。


  • 私たちは今、希望を感じています。近い将来、地球圏でも私たち火星主義革命のめざす未来が受け入れられ、人々がハマーン様の愛に結合するため立ち上がるであろうという希望を。



    1. 2006/04/11(火) 17:21:37 |
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    Episode 27: ハマーン様からのメッセージ "Message from Haman sama"

    27a
  • 今回はハマーン様自身の言葉 (Haman's dialogue) を火星圏より皆さんにお届けしたいと思います。火星主義革命リーダーであるハマーン様の言葉にこそ、私たちの精神が結晶化されているからです。これは私が火星圏中のサーバーから見つけてきたハマーン様語録です。



  • ハマーン様がラビアン政権高官らと接見中、「それにしてもお美しいですな、相変わらず」と嫌らしい視線を送ってきた内務大臣に対してハマーン様が言い放った言葉、「俗物が私に!口のきき方に気をつけてもらおう (You, snobby pig, had better not give cheek.)」


  • 隣でニヤついている与党幹事長に対し、「お前もだ! (You, too, hog!)」。気が立っていたのか、特に何も言っていない後ろの司法長官に対しても、「ネズミが!(Rat!)」


  • 「我々民間企業は立会人に過ぎませんから」というアナハイム重役に対し、「ふんっ、タヌキめ (Faugh, suck-hole)」


  • 青酸ガスの準備が遅れてるのかとヤジを飛ばす議員に対して、「・・・(無視)」


  • 全体にもう一度、「恥を知れ!俗物 (Shame on you, snobs!)」


  • ラビアンから休戦をもちかけられ、「なるほど、私にワイナリーをくれるか。だが困ったものだなあ、お前はものの頼み方を知らないようだ (Well, I understand you'll give me a winery. . . but, it seems you don't know an etiquette when you ask me a favour.)」


  • 「火星革命を認めねばどうするつもりなのだ?」と問われ、「火星に全面葡萄攻撃をするまでだ。ネオアクシズにはその用意がある (Neo-Axis is ready to launch an all-out attack on the Mars with grapes.)」(冗談であしらいつつ何かを暗示する、さすがハマーン様です)


  • ラビアンから政府高官ポストを打診されると話をさえぎりつつ、「なにか、考え違いをされているようですね (Ms. . . biatch, you got something wrong)」


  • 次に、ハマーン様不当逮捕時に現場に居合わせた警察幹部をにらみつけ、「これほどまでに邪険にされる覚えはない (Pigs cannot disregard me)」


  • ミネバスキャンダルでサンズ本部に殺到する取材陣を見て、「ガザCで応戦しろ (Return fire with Gaza-Cs)」


  • 車に群がるマスコミ記者たちに対して後部座席から、「なぎはらえ! (Sweep them!)」


  • エウーゴの戦艦を撃沈し、「所詮血塗られた道 (My bloody destiny, after all)」


  • サンズに連れてこられたジェリドに対し頭ごなしで、「我に従い、我が事業に参加せよ! (Follow me! Serve my enterprise!)」


  • ニューホープ繁華街のバーで安物ワインを出され、「ち、、まずいな (Damn. . . shitty) 」。安物ワインに悪酔いしてしまったハマーン様、お手洗いはあちらですと言われ、「吐き出すものなど、、ない! (Nothing to spew!)」


  • 最後に、ハマーン様のお部屋より深夜、特別警戒中の警備の者がたまたま耳にしてしまった言葉(ゲームか何かをしていたんでしょう・・・)、「肉体があるから・・・ふふ (We all have body, so. . .)」「ここを狙うのだ (Aim at this point)」「うっ (Oh . . .)」。しばらくして、「これで終わりにするか、続けるか?(Shall we break or keep on?)」、そして、「ふふ、ここまでだろ? (Ha, it's your limit, isn't it?)」



    1. 2006/04/11(火) 17:37:57 |
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    Episode 28: ネオアクシズと人類の進化 "Neo-Axis and Human Evolution"

    28a
  • 私たちは今、アクシズ (Axis)キュベレー族小惑星キベレ (65 Cybele, Cybele Group) そしてアモール族小惑星エロス (433 Eros, Amor Group) という3つのアステロイドを接合した新しい生命圏、ネオアクシズ (Neo-Axis) を建造しています。ネオアクシズの表層は、キベレの含有炭素とダークエナジー技術を用いて無重力下で生成される立方晶窒化炭素 (Cubic C3N4) や超硬度ダイヤモンド (Toughened Diamond) で覆われるため、外部からの物理攻撃をほぼ全く受けつけない空間となります(小惑星衝突にはワーム技術で対応します)。間もなく最初の居住民受け入れが開始されます。


  • もともとアクシズは、UC0080年から81年の間にアステロイドベルト(小惑星空域)のキュベレー族空域近くに逃亡してきたジオン残党が、それまで未発見であった最大直径約10kmの金属系小型アステロイドに生活圏(そして軍事要塞)を築いたものです。キベレは最大直径約240kmの大型低質量アステロイドで、同じキュベレー族出身、つまりアクシズの親戚です。美しくくびれた最大直径30kmのエロスは火星横断小惑星 (Mars-Crosser Asteroid、火星に近い軌道をとる) のひとつで、月や火星同様、宇宙世紀の初期からその所有権をめぐって愚かな紛争が繰り返されてきました。星は宇宙の創造物であって人間の私的所有物ではない、ということがオールドタイプには分からないのです。


  • ちなみにアクシズは、地球連邦のスミソニアン国際天文連合 (IAU: International Astronomical Union) による非民主的な名称承認プロセス (undemocratic process of naming) を経ないで命名された最初の小惑星です。私たちは権力者たちの自己顕示欲や地球文明的バイアスによって不本意な名称を受けた星を改名 (renaming) する投票作業を進めています。


  • アナハイムと火星連邦が91年に建造したエロスの軍事要塞ゲンジ (Genji) はMRAの脅威となっていました。しかしエロス奪還作戦の激しい戦闘の末、帝国軍はエロスを完全に放棄しました。帝国は現在、火星の衛星フォボス (Phobos)ダイモス (Deimos) そしてコロニーレーザー4門を従える大型移動要塞ルナ3 (Luna 3) を宇宙での拠点としていますが、ネオアクシズはそれに対峙するMRAの新たな拠点となります。


  • ところで地球の直径は12800km、月は直径3500kmで引力は地球の16.5%ですから、アステロイドの引力など人間の感覚ではほとんどゼロに等しいと言えます(1-0.05%程度)。こうした無重力(微重力)帯では人間のライフスタイルや都市の構造は大きく変化します。例えば人間の使える空間が拡大するため土地の所有は意味がなくり、交通・輸送に要するエネルギーは激減し、住宅や学校やスポーツなどあらゆる分野で全く新しい様式が産み出されます。


  • 人体も劇的な変化をとげてゆくでしょう。すでに足の主たる機能は歩行からジャンプに変わってきていますが、無重力環境に適応した人類は骨や筋肉の強度へのこだわりという原始的マスキュリニティ (primitive masculinity) を捨てるでしょう。例えば地球人が地球の5倍もある巨大惑星に行って生命体に出逢ったとします。そこには恐竜のように巨大でゴツゴツしたほとんど知能を持たない生き物がドテドテと地上か地中をはいずり回っているでしょう。それを見て、自分も筋トレして強くなろうなどと考える人はほとんどいないでしょう。自分はこんな星に生まれなくて良かったと大抵の人は思うはずです。それと同じことです。


  • その代わりに脳は飛躍的に発達します。生命史にとっての重力の意義は物質を一点に集中させることで生命と初歩的な知的生命を産んだ点にありますが、まさにその同じメカニズムによって知的生命の進化を阻害してもいます。猿ができないことを初期人類ができたように、重力から解放され進化した生命体はさらに大きなことを果たす潜在能力を手にします。


  • 進化した知的生命体は科学と思想の力で肉体的限界を突破します。初歩的生命は重力に支配されましたが、進歩的知的生命は重力を支配します。ですから重力圏に戻れなくなるなどという心配は無用です。すでに多くの人がサイボーグ化して重力変化 (gravitational differences) に対応しています。サイボーグ (cybernetic organism) の肉体が初期人類の肉体と異なる点は、その可変性・選択性にあります。肉体が常に固体・個体である必要もなくなります。技術と脳自体の発達により肉体的感覚やその恍惚も飛躍的に増大します。そして進化した生命体は、やがてダークエナジーとアステロイドの助けを借りて銀河に巣立ってゆくでしょう。


  • このように、月や火星といった低重力環境を最初のステップとし、無重力環境にも生命圏を広げる過程で、人類はハマーン様のように知的生命体としての潜在能力を開花させる条件を手に入れるのです。しかしこれはあくまで条件の変化であって、単に物理的に重力から逃れるだけで人類に進化が約束されるわけではありません。初期人類のように愚かな争いを繰り返すなら進化したことになりません。より大きな脳をもつ生命がより大きな過ちを犯す余地すらあります。地球文明というオールドタイプ用のシステム・人間性を引きずっている限り、ジオン公国がそうであったように人類は宇宙に出ても十分な進化を果たせないのです。地球の引力の惰性を引きずったジオン残党には、ハマーン様のようにシステムや生命の革新を目指す人間が少なすぎました。ここが私たちとジオン(シャア)の決定的な違いです。知的生命体としての進化には、低重力・無重力という環境要因の他に、文明を不断に革命していくニュータイプとしての能力が必要なのです。


  • ネオアクシズは今後MRAの拠点となりますが、その真の目的は軍事基地ではありません。ネオアクシズは火星主義革命によって引力の束縛から完全に解放された新たな人類が進化を遂げる場、そして今後宇宙に広がっていく無重力生命圏の出発点として、生命史の新機軸を打ち出すのです。



    1. 2006/04/15(土) 00:49:50 |
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    Episode 30: ハマーン様のニュータイプ子作り記録 "Haman's Babies: Record of Haman sama's New-Type Reproduction"

    30a
  • この度、ハマーン様の7人目の赤ちゃん(受精卵)の着床を記念して、ハマーン様の出産記録が一般公開されました。ハマーン様には4人の赤ちゃんがすでに生まれていて、今後さらに3人生まれてくる予定とのことです。帝国軍との闘いで疲弊する人々に今一度キュベレーのエナジーを示し、温かい未来に向けて共に世作りをしようと呼びかけるため、ハマーン様は自身の子作り歴の公開を許可しました(名前は当面非公開とのこと)。火星圏民衆には驚きと希望の声が広がっています。


  • コーピス・MRAのコミューンやネオアクシズには結婚・家族制度はありません。ここでは「家」は個人の趣味的な領域以外では何ら公的な意味をもちませんし、「浮気」「不倫」「人妻」「バツイチ」「シングルマザー」などの言葉も全く無意味です。人間関係は大幅に自由化されています。このコミュニティでタブーがあるとすれば、一方的な独占欲・所有権を主張することや人種差別がそれにあたるでしょう(地球と違いそんなちっぽけな感情をもつ人は私たちのコミュニティにはいませんが)。親権や財産相続は子供に生まれながらの格差や差別をもたらすものなので完全に廃絶されています。親と子の関係はあくまで個人的・メンタルなレベルで存在しますが、社会は子供をあくまで個人として扱い、コミュニティがすべての子の基本的権利・個性やニュータイプとしての覚醒条件を保証します。


  • こうした脱地球化されたオープンなコミュニティ環境で人々は、多角的な親密圏と自由なパートナーシップに基づく宇宙的ゲマインシャフトを構築しはじめています。生殖に関する技術の進歩はこの傾向を後押ししていますが、やはり一番重要なのは人々の間でのニュータイプ的センスの広がりです。ですからハマーン様の子作りのお相手が複数いて、みんな多元的な恋人関係を築いていることは、私たちのコミュニティでは特別不思議なことではありません。愛する者すべてとエロティックに結合して進化を産む、これこそがニュータイプの子作りと言えるでしょう。



  • ハマーン様出産記録 (Haman's Babies)
    第一子 (1st Child)第二子 (2nd Child)第三子 (3rd Child)第四子 (4th Child)第五子 (5th Child)第六子 (6th Child)第七子 (7th Child)
    生年 (Birth Year)UC0091UC0092UC0093UC0093UC0095(予定)UC0095(予定)UC0095(予定)
    子の性別
    (Child's Sex)
    真性半陰陽 (Intersex)女性 (Female)男性 (Male)男系半陰陽 (Inter-M)女性 (Female)女系半陰陽 (Inter-F)真性半陰陽 (Intersex)
    出産者
    (Childbearer)
    ラムダ (Rambda)ハマーン (Haman)ラムダ (Rambda)シンリ (Shinri)エマ (Emma)ミネヴァ (Mineva)ハマーン (Haman)
    卵子元 (Egg Cell Sources)ハマーン (Haman) 50%ハマーン (Haman) 100%ハマーン (Haman) 50%ハマーン (Haman) 75%エマ (Emma) 100%ハマーン (Haman) 75%ハマーン (Haman) 100%
    ラムダ (Rambda) 50%ラムダ (Rambda) 50%シンリ (Shinri) 25%ミネヴァ (Mineva) 25%
    精子元 (Sperm Sources)ハマーン (Haman) 50%ゼイン (Zeine) 100%ラムダ (Rambda) 50%シュネー (Schnee) 50%ゼイン (Zeine) 50%ミネヴァ (Mineva) 75%ラムダ (Rambda) 25%
    ラムダ (Rambda) 50%ゼイン (Zeine) 50%ハマーン (Haman) 25%ハマーン (Haman) 25%ハマーン (Haman) 25%ゼイン (Zeine) 25%
    シンリ (Shinri) 25%アイガ (Aiga) 25%ミネヴァ (Mineva) 25%
    シンリ (Shinri) 5%
    シュネー (Schnee) 5%
    シデン (Shiden) 5%
    レベッカ (Rebecca) 5%
    アル (Al) 5%

    ハマーン様の子作りパートナー (Haman's Partners)
    NameAffiliationSex (original → current)AgeTotal %Note
    ハマーン・カーン (Haman Karn)サンズ (SANTH)女性 (Female) →女系半陰陽 (Inter-F)20代後半 (Late-20s)575%特定部位サイボーグ (Partial Cyborg)
    レベッカ・マゼラン (Rebecca Magellan)サンズ (SANTH)男性 (Male) →女系半陰陽 (Inter-F)20代前半 (Early-20s)5%全身サイボーグ (Mostly Cyborg)
    ラムダ・サン (Rambda Sun)コーピス (COPIS)真性半陰陽 (Intersex)20代前半 (Early-20s)225%
    ゼイン・マークス (Zeine Marx)コーピス (COPIS)男性 (Male)20代前半 (Early-20s)225%半サイボーグ (Half Cyborg)
    エマ・シーン (Emma Sheen)コーピス (COPIS)女性 (Female)30代前半 (Early-30s)100%特定部位サイボーグ (Partial Cyborg)
    ミネヴァ・カーン (Mineva Karn)アルカディア研究所 (Arcadia Institute)女性 (Female) →男系半陰陽 (Inter-M)10代後半 (Late-10s)125%特定部位サイボーグ (Partial Cyborg)
    シンリ:コードネーム (Shinri)ハマーンギャルド (Haman-Garde)女系半陰陽 (Inter-F)20代後半 (Late-20s)55%DNA一部変換全身サイボーグ (Gene-converted Mostly Cyborg)
    シュネー:コードネーム (Schnee)ハマーンギャルド (Haman-Garde)真性半陰陽 (Intersex)20代後半 (Late-20s)55%全身サイボーグ (Mostly Cyborg)
    シデン:コードネーム (Shiden)ハマーンギャルド (Haman-Garde)男系半陰陽 (Inter-M)30代前半 (Early-30s)5%諜報部
    アイガ・ベッケナー (Aiga Bekkener)エマ特殊機動部隊 (Emma-SMU)男性 (Male)30代後半 (Late-30s)25%半サイボーグ (Half-Cyborg)
    アル (Al)ネオアクシズ住民 (Neo-Axis)男性 (Male)20代前半5%

  • ハマーン様はブアブグレイ脱出後の手術で両性具有となりましたが、これまでそのことを公式に認めたことはありませんでした。ハマーン様の第一子は、最愛の人ラムダとの間に生まれました。この子(真性半陰陽)には親はいますが父母はいません。というのもハマーン様とラムダは精子と卵子を半分ずつ出しているからです。


  • 翌0092年にはハマーン様の第二子が生まれています。ハマーン様が人生で初めて自分のお腹で産んだ子がこの子(女性)です。お相手はラムダの恋人ゼインです。ゼインにとっては初の子作りです。


  • ハマーン第三子はハマーン様、ラムダ、ゼインの3人の間の子です。ラムダが卵精とも50%出しているので、比較的ラムダの影響が強い子(男性)です。この子は第一子同様、ラムダが出産しました。


  • ハマーン第四子は、何を隠そう、私が産みおっぱいをあげてる子です。革命戦争の勃発直後でハマーン様はさすがに出産は無理でした。でもハマーン様はこの子(男系半陰陽)の卵子を75%、精子を25%出していますので、ハマーン様の影響が強い子だと言えます。この子はハマーン様に抱かれるとよく笑うんです。私の同僚ハマーンギャルド所属のシュネーがもう一人のパートナーです。シュネーはいつも私とペアでハマーン様の補佐をしている男っぽい容姿の半陰陽で、ハマーン様と私に惚れているかわいいふたなり君です。ちなみに私の遺伝子には少々処理が加えられていますので、私と同じ肉体的苦しみをこの子が味わうことはありません。でも障害は私の個性と不可分ですし、異なる環境下では人間にとって何が障害になるかが変わることすらあるので、この処理は最低必要なものに限られています。


  • 実はほとんどの人が驚いているのは、ハマーン様の新しい子作りパートナーです。まずエマさんが来年出産する子ですが、実はハマーン様の精子が入っています。この子はハマーン様の第五子ですが、エマさんにとっては第二子になります。エマさんはゼインとようやくいい関係になれたみたいです。


  • 最も衝撃的なのは、来年ミネバが出産するというハマーン様の第六子です。先述したようにミネバがレイア(ハマーン様の姉)とシャアの子であった事実が最近明らかにされたばかりですし、ミネバが男系半陰陽に性転換している事実をほとんどの人は知らなかったわけですから・・・。ミネバがハマーン様を恋人として意識しはじめたのは最近のことだと思います。超ハンサムで人間的にも成熟してきたミネバのプロポーズをハマーン様が断るわけないですよね。性転換後のミネバの初体験はハマーン様にとられてしまいましたが、私もいずれミネバにパートナー申し出てみようかなと考えています。


  • ハマーンベビーの七人目は、つい先日ハマーン様本人に着床が確認されました。ハマーン様はお相手が多いので、この際まとめて受精させちゃえといって作ったのがこの子(予定では真性半陰陽)です。今ではNT精子バンクから数十人分もの精子を集合受精させる物好きな人も結構いますが、ハマーン様は肉体的・精神的恍惚を伴わない生殖や人為的な生殖操作には全く関心がないようです。キュベレーエナジーは進歩的エロスなしには産み出せないのです。とにかくこの子はハマーン様が自分で産む二人目の赤ちゃんになります。



    1. 2006/05/08(月) 04:03:57 |
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